米軍機の騒音「気になる」61% 沖縄・名護市の小中学生 「迷惑です。今すぐ止めてほしい」

(資料写真)米軍機

 【名護】米軍機やオスプレイの騒音問題について、名護市教育委員会は市内の小学5、6年生と中学生にアンケートを実施し、「学校で飛行機やヘリの音が気になったことがよくある」あるいは「ある」と回答した人が61.2%に上ったことが分かった。初めて調査した2014年は58%で、3.2ポイント増加。自由記述では「うるさくて勉強に集中できない」などの声が相次いだ。識者は基地被害を訴える重要なデータになると指摘する。(北部報道部・玉城日向子)

 市は10月17日~11月30日、市内の13小学校と8中学校にアンケートを実施。対象者3610人のうち、64.8%に当たる2338人が回答した。

 質問は全9項目。オスプレイと他の飛行機のどちらがうるさいかの設問では、オスプレイが81.5%、他機が18.5%だった。オスプレイの音に恐怖や不快感があるかの問いには「よくある」「ある」が32.6%、「あまりない」「ない」が67.4%となった。

 今回は低周波音の質問も追加。「気分がいらいらする」「胸や腹が圧迫されるような感じがする」などの心理的影響の有無について「よくある」「ある」21.6%、「あまりない」「ない」78.4%で、数値は低いが一定の影響が見られた。頭痛や耳鳴りの他、眠れないと答えた人も13%程度いた。

 自由記述では「戦争はじまるのかと思う」「とても迷惑です。今すぐに止めてほしい」「ヘリコプターが真上を通過するとき、ミサイルのような音がして怖くなって避難した」(原文ママ)などの声があった。

 琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・騒音)は「約10年前の調査と比べても音が気になると答えた人の割合が高く、騒音が日常的になっている」と指摘。「新基地建設が進み名護の当事者性が増す中で、基地被害を訴える重要なデータになる」と語った。

 調査は、大城敬人名護市議ら市民団体が市に要請して実現した。

名護市の米軍機騒音アンケート結果

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