Blackmagic Design導入事例:長編映画「ネクスト・ゴール・ウィンズ」の場合

Blackmagic Designによると、長編映画「ネクスト・ゴール・ウィンズ」が、FotoKemのデイビッド・コール氏により、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioを使ってグレーディングされたという。

「ジョジョ・ラビット」、「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督による「ネクスト・ゴール・ウィンズ」は、2001年FIFAワールドカップで、31-0の大敗を喫したことで知られる米領サモアのサッカーチームのストーリー。2014年FIFAワールドカップ予選が近づく中、運に見放された破天荒なトーマス・ロンゲン(演:マイケル・ファスベンダー)をコーチに迎え、世界最悪のサッカーチームの立て直しを図る、ユーモラスでハートフルな負け犬物語。

「ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル」でワイティティ監督とタッグを組んだ経験を持つラクラン・ミルン撮影監督は、「ラブ&モンスターズ」と「ミナリ」の2作でコール氏とも仕事をしている。ミルン氏とコール氏と協力し、ワイティティ監督はこの作品の2つの異なるシーケンスに独特の雰囲気を作り出すことに集中した。

コール氏は、次のようにコメントしている。

コール氏:ワイティティ監督の指示のひとつは、米領サモアのチームを"ハイパーリアル"あるいは"絵葉書的に"描くことでした。

一方、サッカー協会のシーンでは、スポーツ組織の、"普通"かつ"フォーマル"な世界の雰囲気を出すようにしました。特にファスベンダー演じるロンゲンの"尋問"シーンを強調しました。

コール氏はプロダクション用のLUT開発を幅広く手がけているが、一番の課題は、撮影後に様々な照明を処理することであったという。

コール氏:これらのシーンでは、"理想化された島"に近づけようとしました。

4分間に4回季節が変わるようなハワイにおいて、常に天候が変化する中、屋外で撮影することは非常に難しいものでした。

コール氏は、このプロジェクト全体を通してDaVinci Resolve Studioのツールセットを使用した。

コール氏:キー、アニメーションPower Window、カーブなどのResolveツールを最大限に活用することで、作品の雰囲気に一貫性を持たせました。

パトカーのライトの色域マッピングにカスタムDCTLを使用して、バラバラになったりデジタルっぽく見えないようにしています。また、Resolveでカスタム・フィルムエミュレーションも作成して作品全体に適用しました。同作のLUTもまた、グレーディングパッケージ内で作成しました。

様々な美しい映像がある中で、コール氏はチームが山の中を走るシーンのグレーディングが特に楽しかったという。

コール氏:このシーンと、チームが山を駆け登ってそこでロンゲンが夢中でスピーチするシーンが気に入っています。青々とした草木、美しい空、低い太陽、そして魅力的なビーチ。これらの要素が美しいシーンを作り上げています。

スケジュールは厳しかったものの、コール氏はワイティティ監督のような明確なビジョンを持つ映画監督との仕事を楽しんだ。 コール氏:ワイティティ監督は常に忙しく、一度に多くの仕事をこなしている映画監督です。

一度グレーディングを開始したのですが、彼が「マイティ・ソー バトルロイヤル」の撮影に出向いてしまったので、1年かもう少しの間作業が止まっていました。そこからさらに洗練された編集のバージョンが届き、作品を仕上げました。

グレーディングセッションやミーティングの時間をうまく使うことで、私たちはワイティティ監督の頭の中に入り込み、彼のビジョンをスクリーン上で実現することができました。

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」は現在公開中。

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