【中医協_診療報酬の改定率を報告】40歳未満の薬局の勤務薬剤師賃上げ措置盛り込む

【2023.12.20配信】厚生労働省は12月20日、中央社会保険医療協議会(中医協) 総会を開き、診療報酬の改定率を報告した。

制度改革事項に「調剤基本料等の適正化」

中医協総会で診療報酬改定について報告。12月20日の予算大臣折衝を踏まえ、令和6年度の診療報酬改定が決定したもの。

令和6年度診療報酬・薬価等改定は、医療費の伸び、物価・賃金の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、保険財政や国の財政に係る状況を踏まえた。1については令和6年6月施行、2については令和6年4月施行(ただし、材料価格は令和6年6月施行)となる。

1.診療報酬 +0.88%(国費 800 億円程度(令和6年度予算額。以下同じ))
※1 うち、※2~4を除く改定分 +0.46%
各科改定率 医科 +0.52%
歯科 +0.57%
調剤 +0.16%
40 歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分(+0.28%程度)を含む。
※2 うち、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記※1を除く)について、令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応 +0.61%
※3 うち、入院時の食費基準額の引き上げ(1食当たり 30円)の対応(うち、患者負担については、原則、1食当たり 30 円、低所得者については、所得区分等に応じて 10~20 円) +0.06%
※4 うち、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化 ▲0.25%

2.薬価等
①薬価 ▲0.97%(国費▲1,200 億円程度)
②材料価格 ▲0.02%(国費▲20 億円程度)
合計 ▲1.00%(国費▲1,200 億円程度)
※ イノベーションの更なる評価等として、革新的新薬の薬価維持、有用性系評価の充実等への対応を含む。
※ 急激な原材料費の高騰、後発医薬品等の安定的な供給確保への対応として、不採算品再算定に係る特例的な対応を含む。(対象:約 2000 品目程度)
※ イノベーションの更なる評価等を行うため、後述の長期収載品の保険給付の在り方の見直しを行う。

3.診療報酬・薬価等に関する制度改革事項
上記のほか、良質な医療を効率的に提供する体制の整備等の観点から、次の項目について、中央社会保険医療協議会での議論も踏まえて、改革を着実に進める。
・ 医療DXの推進による医療情報の有効活用等
・ 調剤基本料等の適正化
加えて、医療現場で働く方にとって、令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップへと確実につながるよう、配分方法の工夫を行う。あわせて、今回の改定による医療従事者の賃上げの状況、食費を含む物価の動向、経営状況等について、実態を把握する。

4.医療制度改革
長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして、選定療養の仕組みを導入し、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの又は後発医薬品の置換率が 50%以上となったものを対象に、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とすることとし、令和6年 10 月より施行する。
また、薬剤自己負担の見直し項目である「薬剤定額一部負担」「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」「市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し」について、引き続き検討を行う。

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