初代よさの着物大使を選出 京都・与謝野町、和装振興に期待

「よさの着物大使」の初代大使に選ばれた岩間さん(中央)と準大使の坂根さん=京都府与謝野町加悦・旧尾藤家住宅

 京都府与謝野町観光協会と、道の駅「シルクのまち かや」(同町滝)を運営する株式会社「京都北都ブランドマーケティング」(同町滝)は、着物や同町の魅力を発信する「よさの着物大使」と準大使を初めて募集し、町内の女性2人を選んだ。観光協会が関わる町内外のイベントに出席し、和装や観光の振興に取り組む。

 町がまとめた2021年度の「織物実態統計調査報告書」によると、08年に680軒あった町内の織物事業所は21年には274軒と約6割減少。地場産業の担い手が減る中、着物を目に見える形で発信し、関心を高めてもらうのが狙い。

 9~10月に町民を対象に募集。11月に大江山運動公園体育館(同町滝)で実施した選考会で観光協会の安達幸三会長ら3人が着物への愛着などを尋ね、候補4人から初代の大使に岩間啓子さん(56)=四辻、準大使に坂根亜里沙さん(44)=同=を選出した。

 200着以上の着物を集め、週4、5日はコーディネートを楽しんでいるという岩間さんは「着物を着てみたいと思う人を増やしたい」と意欲を示した。

 美容師の資格を持つ坂根さんは婚礼や成人式のヘアメークで和装に携わっており、「織物関係者の思いや技術をアピールしていきたい」と語った。

 2人は8日、同町加悦の旧尾藤家住宅で山添藤真町長に就任を報告した。

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