ナダルの約1年ぶりの復帰にコーチのモヤ氏「グランドスラムは心配」とフィジカル面に不安

ナダルのコーチを務めるモヤ氏「グランドスラムは心配」

元世界ランク1位でグランドスラム通算22度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)の復帰について、コーチのカルロス・モヤ氏は「グランドスラムは心配」と不安をのぞかせた。

今年1月の全豪オープン2回戦で股関節を痛めた37歳のナダルは、5月に長期休養を発表すると翌月には手術を行った。それにより2004年から出場を続け、史上最多14度のタイトルを獲得している全仏オープンを欠場。今月には、自身のSNSに動画を投稿し、「間違いなく(現役)最後の年になる可能性はある。それが半年か1年の可能性もあるし、どちらでもないかもしれない。こればかりは今の僕には答えられない」と、改めて引退の可能性も示唆した。

12月31日にスタートする来季の開幕戦「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ATP250)で約1年ぶりにツアー復帰を果たすと発表され、全豪オープンもプロテクトランキング9位を使用してエントリーしている。

復帰が間近に迫った中でコーチのモヤ氏は、ATPのインタビューで「試合の負荷に対応することだ。ラファは良い練習から試合に切り替えることになるが、同じコンディションで行うことは不可能。5セットマッチを戦い、勝てば休んで2日後にまたコートに戻るというグランドスラムは心配だね」と不安材料を明かした。

だが、前哨戦を含めれば全豪オープンまであと1ヵ月弱の時間がある。「ブリスベンでの大会もあるし、厳しい練習もできる。それらが全豪オープンをこなせるだけのフィジカルを作ることを可能にすると思う」と約1年も実戦から遠ざかっていてもコーチの期待値は高い。

先日まではクウェートにあるラファ・ナダル・アカデミーで期待の若手として活躍する19歳のアルトゥール・フィス(フランス/同36位)とトレーニングをし、故郷マヨルカに戻った後もリシャール・ガスケ(フランス/同76位)やヤン・レナード・ストルフ(ドイツ/同25位)、エミル・ルースブオリ(フィンランド/同69位)らと練習を続け、徐々にハードルは高くなっているものの正しい道を歩んでいるという。

特にモヤ氏が期待を寄せているのが、得意のクレーコートで行われる全仏オープン。「ローラン・ギャロスが彼のお気に入りの大会であることは明らかで、あと6ヵ月もある」と試合に出場し続け、元のレベルを取り戻すことに期待した。

これまで怪我をしても、強くなってコートに戻ってきたナダル。今度の復帰ではどのようなプレーを見せてくれるのだろうか。

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