「お金で解決しようや、という話を持ちかけられて…」密漁摘発の緊迫の瞬間 そして、密漁した漁師への判決は…

今年9月愛媛県松山市沖でサザエなどを密漁をしたとして、漁業法違反などの罪に問われた3人の男。

あいテレビでは、地元の漁師が男らを取り押さえた瞬間の映像を入手しました。

動画では、ウェットスーツを着た男や、大量のサザエやウニ…。動画を撮影したのは、松山市睦月島の漁師、河口太一さんと玄太さん兄弟。

島の沖で密漁被害が続き、警戒していたところ、9月15日の夜に密漁船を発見し、船へ乗り込み男らを取り押さえました。

(睦月島の漁師・河口太一さん)
「めちゃめちゃ怖かったですね。普通だったら近付かないんですけど、このチャンスを逃すわけにはいかないなというので、行こうと決心した」

サザエやウニなどを計画的に獲ったり稚貝を放流したりして、資源管理を続けている睦月島の漁師たち。しかし、そうした努力が相次ぐ密漁により水の泡になっているといいます。

(睦月島の漁師・河口太一さん)
「根こそぎいってんねやろなという気持ちですよね。僕らが残している分も、次の日潜ったらないということも多々ありましたし」

密漁をしていたのは、いずれも漁師で今治市宮窪町に住む藤本武則被告と生谷義雄被告、それに藤本勤志郎被告の3人。

(提供動画では)
「これ持って帰りや」

中でも船長の藤本被告は河口さんらに密漁を見逃してもらおうとしていたといいます。

(睦月島の漁師・河口太一さん)
「お金で解決しようや、という話を持ちかけられて。自分たちはお金とかじゃないんで、という話で海上保安庁を呼びましたけど」

藤本被告ら3人は、駆けつけた松山海上保安部に緊急逮捕され、その後漁業法違反などの罪で起訴されました。

(睦月島の漁師・河口太一さん)
「怖かったというのもあったし、相手がどんな人かというのも分からなかったので、こっちも声を荒げて制圧したというか、島の人たちの気持ちとかもあるから、許されへんという怒りのほうが強かった」

そして20日、3人に対する判決公判が松山地裁で開かれました。

高場理恵裁判官は、藤本被告らが8年前から密漁を繰り返していたとして、「常習的で身勝手な犯行」などと指摘。

その一方で、3人が罪を認め反省していることなどを踏まえ、主犯格の藤本被告に懲役10カ月、執行猶予3年、他2人にもそれぞれ執行猶予が付いた有罪判決を言い渡しました。

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