海洋データ把握にAI活用、政府 レアアース採掘へ情報収集

海洋開発重点戦略で優先する6項目

 政府が来年3月までに取りまとめる「海洋開発重点戦略」で、優先的に取り組む重要項目が判明した。海の状況を一元的に可視化する「海洋状況把握(MDA)」に関し、海洋データを把握、分析するためのAI活用や、レアアース採掘に向けた南鳥島周辺海域の情報収集など6項目を掲げた。岸田首相が本部長を務める総合海洋政策本部会合を22日にも開催し、了承する予定。関係者が20日、明らかにした。

 4月に閣議決定した今後5年間の海洋政策指針「海洋基本計画」に明記された施策のうち、国益の観点から省庁横断で取り組むものを重点戦略としてまとめる。

 MDAは防衛省や海上保安庁といった政府機関や民間が持つ各種データを共有する。これまで情報の収集や共有、国際的なネットワーク強化を重視してきたが、膨大なデータをAIで多角的に解析し付加価値を付けて活用する方針を加える。

 日本最東端の南鳥島周辺海域には、電子機器の生産に用いられるレアアースを含む泥が確認されている。政府は採掘の産業化を見据え、地形や地質、環境のデータ収集を進める。

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