試験会場に向かう受験生の痴漢被害を防ぐため、兵庫県警は県内の鉄道事業者に協力を依頼した。県警鉄道警察隊によると、交流サイト(SNS)などで、試験への影響を考えて被害を訴えにくいとして「受験生は痴漢しやすい」といった悪質な情報が出回っているという。
受験シーズンの本格化を前に、4日付でJR西日本や阪急、阪神電鉄など9社に依頼文を送った。これまでも担当者間のやりとりで対策の必要性は共有していたが、鉄警隊長名で初めて文書を出したという。
依頼文ではパトロール強化や女性専用車両の増設のほか、被害申告への配慮に言及。被害に遭った直後にその場で事情を説明しなくても、受験後に警察へ届けられる手順を受験生に伝えるよう求めている。
鉄警隊の幹部は「自分の将来を見つめて頑張っている受験生が、卑劣な犯罪に遭わないようバックアップする」と強調。県警としても、大学入学共通テストに合わせて警戒要員を増やすなど対策を取る予定という。(小川 晶)