「娘は毎日泣くようになった」と母 女子高生に抱きつき体を触った79歳男に有罪判決

大津地裁

 高校の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、不同意わいせつ罪に問われた滋賀県内の無職の被告の男(79)の判決公判が20日、大津地裁であり、畑山靖裁判官は懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 判決によると、被告は8月4日午後5時半ごろ、県内の自宅で、女子生徒に背後から抱きつくなどして体を触った。検察側冒頭陳述などによると、被告は女子生徒が通う高校の近くに住み、日常的に生徒らに野菜やジュースを渡していた。犯行当日はネックレスを贈るなどと言って女性生徒を自宅に招き入れたという。

 畑山裁判官は判決理由で、「被告を信用していた被害者は大きな精神的ショックを受け、心身に不調を来した」と指摘。今後は被害者らに一切接触しないと被告が誓約していることなどから執行猶予とした。

 母親は公判で意見陳述し、「娘は毎日泣くようになり、食事も取れない、眠れない状態も続いた」と吐露した。判決後、京都新聞社の取材に「加害者が元の生活に戻るのに、娘は一生忘れることができない。同じような思いをする子どもが出ないように、地域や学校には子どもたちをどうやって守っていくのか真剣に考えてほしい」と話した。

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