“1大学2校”案の静岡大学長「問題がこじれたときには訴訟が起こるかも」浜松医科大側の理解得がたいと認識か【独自・詳報】

静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題で、4年前の合意内容とは異なる「1大学2校」案を推し進める静岡大学の日詰一幸学長は、2023年9月の会議で「問題がこじれたときには訴訟が起こるかもしれない」と発言していたことが分かりました。

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<和田啓記者>
「統合再編問題で揺れる静岡大学。今まさに学内会議で意見が交わされています」

12月20日も日詰学長をはじめとする静岡大の執行部や教員らが会議を開き、こう着状態に陥っている統合再編の方向性について主張をぶつけました。

この統合・再編問題について、新たな事実がSBSの取材で分かりました。静岡大と浜松医科大は2019年、法人を統合して静岡地区と浜松地区に新しい2つの大学をつくることで合意していたものの、合意後に就任した静岡大の日詰学長は、1つの大学は維持したまま、2つの分校を置く「1大学2校」案を成案化しようと進めています。

日詰学長は「1大学2校」案は4年前の“合意書の範囲内″と主張していますが、浜松医科大だけでなく、同じ静岡大の中からも事実上の“合意書の撤回”と反発の声が上がっています。

関係者への取材から「1大学2校」案が議題にのぼった2023年9月の学内の会議で、日詰学長が「この問題がこじれたときには訴訟が起こるかもしれない」と発言していたことがわかりました。

「1大学2校」案について、4年前の“合意書の範囲内″と主張している日詰学長ですが、当初からこの案では、浜松医科大側の理解は得難いと認識していたとみられます。関係者によりますと、20日の学内の会議の中で日詰学長は21日、役員会で「1大学2校」案を承認してもらい、学外で公表すると話したということです。

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