きくらげは「家族。全部を通して愛らしい」 魅力に取りつかれた農家が販売したのは“わらび餅”って? 

愛知県豊川市で12月20日に、ちょっと変わった甘味処がオープンを控えたお披露目会を開きました。目玉のわらび餅などには中華料理でよく使われる「ある食材」が…スイーツとは結び付きそうもない食材を使った理由とは?

商売繁盛のご利益で知られる豊川稲荷から、歩くこと2分。

20日に関係者へのお披露目会が開かれたのは、甘味処「よび田屋」。

(訪れた人)
Q何食べた?
「わらび餅。もちもちでおいしい!」

みなさんが食べているわらび餅。あんこが添えられ、きなこがたっぷりかかった普通のわらび餅に見えますが…

(よび田屋 喚田恵子さん)
「甘味の中に全部『きくらげ』が入っている」

わらび粉と砂糖で作るわらび餅に、乾燥させた白いきくらげを砕いて作った”きくらげ粉“が入っているんです。

これが、もちもち食感をさらに強くするといいます。

またハーブティーの中にも…

(宮田あやか記者)
「底に、砕かれたきくらげが入っています。コリコリしていますが、味にクセがないのでハーブティーの風味を邪魔していなくて、すごくおいしいです」

きくらげは約9割を中国からの輸入に頼っていますが、店長の喚田恵子(よびた けいこ)さんは豊川市で月に1.5トンを出荷する、数少ないきくらげ農家。

(よび田屋 喚田恵子さん)
「(きくらげは)子ども…家族ですかね。全部を通して愛らしい」

もともと、友人が栽培したきくらげを就労支援施設で販売していましたが、きくらげを知れば知るほどその魅力にとりつかれ、自分で生産を始めました。

食感の楽しさだけでなく、ビタミンDや食物繊維など豊富な栄養価についても知ってもらおうと…

「試食、ぜひ食べていってください!きくらげの妖精『けっぴー』と申します!」

ド派手なピンクのスウェットに、大きなアフロ頭の、きくらげの妖精「けっぴー」の力を借りて、国産きくらげのPRなどを行っています。

よく見ると…喚田さんとけっぴーが似ている気もしますが…

(よび田屋 喚田恵子さん)
「別人です」

けっぴーは“妖精”という設定なので、あくまでも「別人」なのだそう。

きくらげ愛にあふれる喚田さん、今度はなぜ甘味処を開くことになったのでしょうか。

(よび田屋 喚田恵子さん)
「(きくらげは)中華のイメージが強いんですけど、甘味でも使えるの!?っていう(イメージを)覆すような商品を出して。きくらげの可能性を広げて、中華以外でも食べてもらえたらと」

多くの人に食べてもらえるものにきくらげを入れようと考える中で思い浮かんだのが、自身も大好きなわらび餅。1年以上前から、自宅で夜な夜なきくらげを入れたわらび餅の試作に取り組んできました。

(よび田屋 喚田恵子さん)
「(きくらげを)豊川名産にしたいというのが大きい。(人が集まる)豊川稲荷の門前に店があるということは、(地元の)名産なのかなと、わかりやすく知っていただける場になる」

そして迎えた20日、取引先の会社やインフルエンサーを呼んで甘味処のお披露目会です。

初めて、きくらげ入りわらび餅を食べた人たちの感想は…

(訪れた人)
「和菓子に(きくらげを)入れるのは、すごく斬新」
「(きくらげは)中華の脇役のイメージ。きくらげの味はしないけど、効いているから、この弾力になっているのかな」

評判は上々、きくらげの新たな魅力を届けられたようです。

(よび田屋 喚田恵子さん)
「食べた方が『おいしかったよ』と言ってくれてうれしい」

甘味処は、12月25日プレオープンです。

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