小田原市パワハラ問題 「被害者寄り添わず」と謝罪、相談35件超も処分は2件

職場のパワハラ被害を巡り、不十分な対応を謝罪する小田原市幹部ら=20日、同市役所

 神奈川県小田原市がパワーハラスメント行為を繰り返していた職員の処分を3年以上放置した問題を巡り、市は20日に開いた記者会見で、職場の相談窓口に過去4年間に寄せられたハラスメント相談が少なくとも35件以上に上ることを明らかにした。このうち加害者の処分に至ったのはわずか2件。2022年の職員アンケートで「未解決」のハラスメント217件の情報が寄せられたが、市は現在の解決状況も把握しておらず、市幹部は「被害者の立場に寄り添えてなかった」と謝罪した。

 市は22年に全職員を対象にしたアンケートを実施し、回答者の4割が長時間の叱責(しっせき)や人格を否定する発言を受けるなどのハラスメントを経験。市消防本部も22、23年にアンケートを行い、馬乗りで暴行や「メガネをかけていただけで殴られた」など理不尽な職場内の体罰の実態が明らかにされた。 

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