【カンボジア】中銀総裁と齋藤経産相、越境決済普及で合意[金融]

カンボジア国立銀行(中央銀行)のチア・セレイ総裁は18日、齋藤健経済産業相との間でQRコード決済の普及に向けた覚書に調印した。同総裁は、16日から東京で開催された日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議に参加するため、フン・マネット首相とともに日本を訪問している。プノンペン・ポスト(電子版)が19日に伝えた。

チア・セレイ総裁と齋藤健経産相は、フン・マネット首相と岸田文雄首相の立ち会いの下で覚書に調印した。中銀は「安全で効率的なQRコード技術を利用した越境決済サービスの普及に向け、両国の明確な協力体制を確立することが覚書締結の目的」と説明。今後は日本に加えて、中国やインド、シンガポールでの越境決済サービス実現を視野に入れていきたいと述べた。

カンボジアは日本のITベンチャーのソラミツ(東京都渋谷区)が開発したデジタル通貨「バコン」を通じ、既にラオス、ベトナムとの間で越境QRコード決済サービスを始動している。チア・セレイ総裁は、バコンの導入が国内の金融インフラ整備や国際的な金融取引に画期的な変化をもたらしたと称賛した。

中銀によると、バコンの2023年上半期(1~6月)の取引回数は約5,000万回、取引総額は100億米ドル(約1兆4,390億円)を突破した。

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