宝くじファンにとって今年最後の楽しみとなる「年末ジャンボ」「年末ジャンボミニ」。販売最終日はあす12月22日までだ。今年は沖縄県内で「サマージャンボ」の1等と前後賞の計7億円が出た「当たり年」だけに、売り場は例年にも増して盛況だ。実は、沖縄は47都道府県で最も宝くじの人気が高い県。その理由とは? (デジタル編集部・新里健)
■2時間待ち
投資をするとリターンが大きいとされる吉日「一粒万倍日」と大安が重なった12月8日の夕方。那覇市おもろまちの那覇メインプレイスチャンスセンターは、年末ジャンボとミニを買い求める人々で、最大2時間待ちの大行列となった。沖縄県民は行列に並びたがらないとよく言われるが、そのイメージを覆す光景だった。
このチャンスセンターは、今年のサマージャンボで1等と前後賞の計7億円が出た売り場だ。運営するビーエヌシー那覇支店の今村隆志支店長によると、「7億円効果」で年末ジャンボの購入人数は、昨年の約2倍の多さだという。
■データが示す人気ぶり
県民の宝くじ人気は、データに表れている。47都道府県と20政令指定都市から宝くじ業務を受託するみずほ銀行がまとめた、都道府県別の1人当たり年間購入額を見てみよう。バレンタイン、ドリーム、サマー、ハロウィン、年末の年5回販売するジャンボのほか、毎日買えるロトやスクラッチなどを含めると、沖縄は9千円台で推移し、2019年度以降、4年連続で全国トップだ。2022年度は9990円で、1万円に迫る。
■県民のライフスタイルに
沖縄で人気なのはなぜか。理由を示すデータはないが、今村さんは「県内の宝くじ売り場のほとんどはスーパーやショッピングモールの駐車場近くにあるため、車で買い物や遊びに行くついでにくじを買うライフスタイルが、県民に定着しているのでは」とみる。
本年度の「幸運の女神」を務める齋藤聖奈さん(23)は、年末ジャンボとミニのPRで12月上旬に沖縄を訪れた。訪問先でエレベーターに乗ると「女神さんだ」「握手して」としばしば声をかけられた。齋藤さんは「沖縄では宝くじがたくさんの方に愛されていると感じました」と振り返る。
■1等と前後賞、何本出た?
みずほ銀行によると、2014年度以降、県内の売り場から出たジャンボ宝くじの1等と前後賞は、計24本。サマージャンボは2017年度に具志川イオンチャンスセンターから計6億円、2020年度には読谷マックスバリュチャンスセンターから計7億円が出た。年末ジャンボは2020年度に名護市の道の駅許田から計10億円が出た。