「災害対策で主導を」 奈良経済同友会、県に役割求め提言書

村井副知事に提案書を手渡す井村代表幹事ら=20日、県庁

 災害の激甚化、多発化が進むなか、奈良経済同友会の広域支援検討委員会は、災害対策に関し、奈良県に主導的な役割を果たすよう求める提言を取りまとめた。民間団体の広域連携に県の指導を期待するとともに、行政と民間の役割分担の明確化なども提案。井村守宏代表幹事、出口悦弘代表幹事、同検討委員会委員長の中村光良副代表幹事らが20日、県庁を訪れ、「防災、災害復旧に対する提言〜県がやらなければならないこと」と題した提言書を村井浩副知事に手渡した。

 提言書は国内の災害発生の状況を踏まえつつ「県民の災害に対する認識度は他府県に比べ非常に低い。また企業も何をすれば良いのか分からないという声をよく聞く」と問題提起。その上で、災害発生時、県は意思決定や管理監督に当たり、現場の対応は民間に任せるべきだとして、県の役割や民間主導の災害復旧など具体的な取り組み、課題を示した。

 また民間主導の体制づくりには、府県を超えた広域にわたる業界団体の組織化が欠かせないとし、団体同士の連携を県が指導するよう提言した。

 提言書を作成した中村副代表幹事は民間団体の広域連携について「災害を受けた当該地域の民間団体は支援活動が困難になる。その対応として他府県との連携が重要」とし「ただ民間同士では難しい面もあり、県による指導が期待される」と説明。併せて「被災リスクの低い県が、広域災害に備え積極的に主導的な役割を担うべき」と県の取り組みを求めた。

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