視覚・聴覚・触覚に訴えかける唯一無二の体験『PERFECT DAYS』ウェブ限定の書き下ろし小説「Days of HIRAYAMA」

『PERFECT DAYS』©︎ 2023 MASTER MIND Ltd.

名匠ヴィム・ヴェンダース(『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』)が、長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた『PERFECT DAYS』が、「TOHOシネマズ シャンテ」をメイン館として12月22日(金)より公開される。

このたび、革新的なつくりとなった『PERFECT DAYS』公式サイトのイメージ映像が公開された。このサイト内では、ウェブ限定の書き下ろし小説「Days of HIRAYAMA」も掲載され注目を集めている。

名匠ヴィム・ヴェンダース×役所広司

本作は、ヴィム・ヴェンダースが、日本の公共トイレのなかに“small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)”を見出し、清掃員・平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡ぎ、「第76回カンヌ国際映画祭」で最優秀男優賞を受賞したことを皮切りに、「第50回テルライド映画祭」「第48回トロント国際映画祭」「第71回サンセバスチャン映画祭」「第43回台北金馬映画祭」と名だたる映画祭に招待されるなど、世界中の映画祭を席巻し、米国「アカデミー賞」国際長編映画賞の日本代表選出が決定。「第36回東京国際映画祭」では、オープニング作品として、ヴィム・ヴェンダース監督を筆頭に主演の役所広司をはじめキャスト、スタッフ総勢11名がレッドカーペットを歩き、その豪華な布陣にファンからの声援を受けて大きな話題となった。

映画にならなかった日々のルーティンが淡々と描かれる

本作の公式ウェブサイトでは、通常のストーリーやキャスト、そして劇場情報に加え、ウェブ限定の書き下ろし小説「Days of HIRAYAMA」が 目玉として掲載されている。 東京・渋谷の清掃員である主人公・平山の、映画にならなかった日々のルーティンが淡々と描かれ、 映画を観る前でも後でも楽しむことができる。

「Scrolling Book with Sound」と銘打ち、単に物語を読むだけでなく、視覚・聴覚・触覚に訴えかける唯一無二の体験が魅力。 読んでいる文章に合わせて、聞こえてくる環境音や見えてくる風景が、形を保つことなく移り変わっていく。さらに、ユーザーが指やマウスで干渉することで変化が加わり、没入感をより一層高めている。ループ構造になっており、気づくと冒頭の一節に帰還し、また同じようで新しい1日が始まる。

「同じことの繰り返しにみえるけれど、平山にはそうではなかった。すべてはその時にしかないものでだから、すべては新しいことだった。」 世界の見え方をほんの少しだけ変えてくれるかもしれない、ウェブならではの体験をぜひ味わっていほしい。

「スクロール・ブック」という答え 映画でしかできないこと、Webでしかできなこと

「コクヨのヨコク」で2年連続のwebデザイン大賞を受賞するなど、デザインとクラフトでwebの可能性を追求しつづけるmount。公式サイトは、劇場用パンフレットのweb版ではなく、公開情報が整理された場所以上のもの、を目指して制作された。Webでしかできなことは何か、映画とは違うアプローチで、映画がやりたかったことに近づく。そんな大胆な挑戦から生み出されたのがこの「Scrolling Book」という表現だ。スマホなら指で、PCならマウスで、文字をスクロールすると不思議な動きが生まれ、言葉にあわせて音が生まれ、そして現実をいつのまにかのりこえてもうひとつの世界に入っていく。

映画の主人公・平山の日々は、ほとんどがルーティンばかり。毎日同じ時間に目覚め、同じように準備をし、同じように働きにでる。でも彼はそれを毎朝、新しい1日として満たされた感情のなかで行う。映画はそのルーティンを丁寧に描き、やがて起きるいくつかの出来事によって生まれる揺らぎを物語にする。そしてその小さな揺らぎ、まるで木漏れ日のようなもの、がいかに美しいか映画は教えてくれる。

その映画をどうWebで表現するか

映画が男の12日間を表現するなら、それ以外のルーティンに守られた353日を表現しよう。そうして生まれたのがこのDays of HIRAYAMAでした。視覚・聴覚・触覚のすべてを刺激して、その日々に生まれる変化を感じるものとなっている。文章を読みながらスクロールしていくと、聞こえてくるその世界の音が変化し、目にするもの言葉や映像のすべてが朧げな記憶のなかに溶け込んでいく。1日が終わるとまた別の日が始まるループ構造になっている。徹底的にデザインされ融合していく音と文字。ウェブならではの体験をぜひ味わってみてほしい。

<ウェブ制作チームのコメント>

岡部健二
「映画は、平山という人物にアクセスするための1つの手段だった」という高崎さんの言葉を胸に、ウェブなりに平山を捉えようともがいた日々でした。 毎朝、安藤忠雄設計のトイレ前を通るたび、「なんとかなってくれ」と願掛けしていました。

タイトウオン
日常に潜む刺激と気づき。 自分とまったく違う人生を覗くような感覚で、サイトを開くたびに得られた新鮮さは他にない。 文字ひとつも、レイアウトも全てこだわりきりました! 映画もサイトもぜひご覧ください!

須多望
作中で印象的なKomorebiをサイト上で表現することに注力しました。

山下亜加里
日常にある小さな変化に気づいて愛す。そんな人になりたいと作品を通して思いました。 作品に詰め込まれている「想い」をWebサイトを通して感じていただけると嬉しいです。

吉田耕
試写会で作品を拝見したときに、関わっている人たちの想いが只事ではない。と感じました。映画のWebサイトを作るということではなく、このプロジェクトのサイトを作るという感覚がありました。コンテンツもそれを表現しているように思います。

仲橋祥子
映画の中の、忙しない日々ではつい見逃してしまうような繊細な日常の美しさに、救われたような気持ちになりました。人生のいろんな局面で、観るたびにみえ方が変わる作品になりそうです。 そんな映画のWebサイト。聴こえる音、1文字の1角まで、繊細に、丁寧に作りました。

『PERFECT DAYS』は12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

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