観測隊が昭和基地到着 第65次南極観測隊

初荷を手に、記念撮影する(左から)橋田元隊長、樋口和生越冬隊長、斎藤一城艦長=20日午前8時7分(現地時間)、昭和基地

 【昭和基地=報道部・小田信博】第65次南極観測隊(橋田元(げん)隊長)は20日、南極観測船「しらせ」(斎藤一城(かずき)艦長)からヘリコプターで南極・昭和基地に入った。オーストラリア西部・フリマントルを出港して3週間での到着となった。短い夏を迎えた極地で、各種観測や設営、輸送が本格的に始まる。

 現地時間の午前7時40分(日本時間午後1時40分)ごろ、ヘリは昭和基地まで約18キロに迫った定着氷域から「しらせ」を飛び立った。約5分ほどで基地のヘリポートに到着。昨年12月から活動している第64次越冬隊(樋口和生隊長)が「ようこそ昭和基地へ」と英語で記された横断幕で出迎えた。

 第65次隊員はヘリを降りると、越冬隊員と笑顔で握手を交わした。橋田隊長と斎藤艦長が「初荷」を樋口越冬隊長に手渡した後、3人で記念撮影をし、合流を喜んだ。

 20日は第1陣として4回に分けて計54人の第65次隊員が基地に入った。橋田隊長は「長いようで短い夏だが、観測や設営の仕事を一つ一つ積み上げたい」と抱負を語り、樋口越冬隊長は「忙しい夏が始まる。もう一度気を引き締めて事故のないように過ごしたい」と話した。

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