なければ即死だった…元競輪選手でパラメダリスト、石井雅史さんが交通安全教室 ヘルメットの重要性語る

石井雅史さん(左)らのサポートで競技用自転車の試乗体験をする児童=埼玉県吉見町立東第一小学校

 埼玉県吉見町立東第一小学校(栗田智子校長)でこのほど、自転車のパラリンピアン・石井雅史さん(50)による「交通安全教室」が行われ、自転車の「ヘルメットの重要性」などを訴えた。

 石井さんは神奈川県の出身。20代のころA級競輪選手として活躍。28歳の時、ロードワーク中、車と正面衝突、1カ月間、意識がなかったが奇跡的に一命を取り留めた。ある日、外泊許可が下りて実家に戻り、事故で壊れた自転車を見た時、記憶が戻ってきた。自転車のおかげで「再び前を向くことができた」。

 その後、パラサイクリングに挑戦、初めて日本代表選手として出場した2008年の北京パラリンピック自転車競技で金・銀・銅のメダリストとなった。

 この日は、リオデジャネイロパラ五輪のユニホーム姿で登場。まず栗田校長と対談し、パラサイクリングを始めた経緯や、北京パラリンピックの話を行い、金銀銅メダルを披露した。

 次いで、石井さんが競技用自転車を披露し、児童の代表3人と教師1人が試乗体験を行った。

 最後に石井さんは、事故の時にかぶっていたヘルメットを見せて「形はあるが中はぼろぼろ。病院の医師に『これがなかったら即死だった』と言われた」と振り返り、ヘルメット着用の重要性を訴えたほか、「心わくわくさせるものを見つけて、諦めないで、いろんなことにチャレンジしてほしい」と子どもたちに呼びかけた。

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