「小さな政党の大きな局面」前原新党、そして国民民主党はどこへ行く?菅野志桜里氏が読む!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年12月18日に公開された動画のテーマは……「国民民主党分裂騒動 菅野さんの見解は?」です。

ゲストに弁護士で国際人道プラットフォーム代表の菅野志桜里氏をお招きし、古巣である、国民民主党の分裂問題について、語っていただきました。

菅野氏が「しゃべりにくいですねえ」と思わず苦笑するこの話題。

前原新党はどこへ行く?そして国民民主党の動きは?

【このトピックのポイント】
・菅野氏から見た、玉木・前原両氏の路線の違いとは?
・前原新党はどこへ行く?政策の特徴をチェック
・分裂を重ね「純化された」国民民主党の今後は?

玉木・前原両氏の路線の「違い」菅野氏はどう捉える?

国民民主党は13日の両院議員総会で、離党届を提出し新党「教育無償化を実現する会」結成を表明した前原誠司代表代行ら4議員について、離党届を受理しませんでした。この結果、離党でなく、除名処分となることが決まりました。

このことについて菅野氏は、「一般国民にとってはあんまり関係ないことですかね?」と至極冷静な反応を示しつつ、国民民主党としては、前原氏らのやり方に対する怒りを明確にしたということと観測を述べました。

国民民主党には、野党として自民党と対立する立場から、徐々に自民党との距離を近づけ、自分たちの政策を実現するために自民と組もうとする玉木氏的な考えと、非自民と非共産の真ん中を結集させようとするいわば前原氏的アプローチの両方がありますが……

菅野氏も自分でも非常に悩んだとしながら、結論としては「(自分や政党で決めるものでなく)これは時代が決めるものだと思うようになった」とします。

その上で、野党にいる以上は、政権交代を目指すのか、自公に割っていき与党の枠組みを変えるかという二者択一に疑問を呈します。

菅野志桜里氏「有意義な議論じゃない気がしていて、どっちも両にらみでやるべきことやっていくんでしょうよ」

MC乙武洋匡「いい意味でもうちょっとしたたかに行こうよ、と」

前原新党はどこへ行く?維新の会は前向きだが……

日本維新の会の馬場代表は13日、前原氏らがつくる新党との共同会派結成に前向きな考えを示したとのことですが……

MC乙武「維新に行かれるんですかね?」

菅野氏「私、あんまり詳しくないんですけど、でも行く方向だと……見えますね。行くんだろうねというふうに、私には見えてます」

地域性の問題、政策的な問題もろもろを含めて、前原新党が維新に組み込まれていくのか、というMC乙武の疑問に対し、菅野氏は「カルチャーとしての相性が悪くないし、選挙区を含めた地合いも悪くない」と賛同します。

しかし、菅野氏は両者の政府への考え方や信念に関して、「乗り越えなければならない」大きな違いを指摘します。

前原氏の政治信念は、いわば「オールフォーオール」。 みんなの負担でみんなを支えていく、「大きな政府」を志向する考え方は、これまで前原氏がいろいろな党で代表にチャレンジしてきた際、掲げてきたものです。

菅野氏「一方、維新は小さい政府ですよね?自己責任論を割と強調する」

菅野氏は、前原氏の政治信念を次のように解説し、双方で一致する既存の政党がないことを指摘します。

・社会保障では比較的リベラル、「大きな政府」を志向
・外交や安全保障では「タカ派」を志向、比較的現実的

とすると……

MC乙武「国民民主党にいたままのほうが政策的には……」

菅野氏「……はい」

菅野氏は、第三極として、内政リベラル、外交安全保障は敢えていうと現実的、もしくはタカ派という、「いわゆるリベラルホークのような政党が求められているのではないか」と指摘します。

菅野氏「国民民主党と日本維新の会の内政リベラルの温度差、『実はどっちがマッチョなの問題』に注目したいと思ってます」

とはいえ、前原さん自身が内政リベラルを大きく掲げているのか、「ちょっとピンとこない」と首をかしげる菅野氏。

菅野氏「政策的には国民民主にやっぱり近いのかな……?っていう。大きく捉えればですね」

「純化された」国民民主党、今後は

菅野氏が親しくする議員の間では、今回の件は比較的冷静に受け止められているようです。

菅野氏「びっくりしたわあ!みたいな感じではない」

MC乙武「抱えてた時限爆弾爆発しちゃったねえ、みたいな?」

国民民主党はもともと大きな党でした。立憲と合流しそうになった経緯もありましたが、玉木代表の党を残す判断を経て、現在の形になりました。

MC乙武は、こうした経緯が国民民主党を「純化させた」と表現。今回のことで、ますますアプローチの方法が純化され、国民民主党にとって「長い目でみれば、それもよかったのではないか」と語ります。

MC乙武「とはいえ数の力が大事。国民民主党が今後永田町内で影響力を発揮するには、今(の数)が危険水域?」

菅野氏は「おおよそ同感」としながら、現在党に残っているメンバーは、「かなり志をミクロのレベルで共有している」と指摘します。支持者や立候補の希望者にも共通項がしっかり浸透している感じを受けるとし、今後を見据えます。

菅野氏「次の選挙でこのまま国民民主党が勝負の場に居残ることができるのか、サバイブできるのか。『小さな政党の大きな局面』ではないか」

MC乙武は、都民ファーストの会と一緒になると「Win-Winな気がする」と次のポイントを提示します。

・国民民主党は都内に議席を持つ国会議員があまりいないため、都内の足腰を持ちたい
・都ファは国政政党になりたいと、政策的にもそれほど遠くない

菅野氏は同意しながらも、都ファの顔といえる小池百合子氏と国民民主党が、「どこで志を一致できるのか、すごくどろどろしてる?という感じがします」と首を傾げます。

MC乙武「小池さんは、常人には考えつかないアクロバティックな動きをなさるじゃないですか。くっついて、都知事を誰かに譲って、自民がゴタゴタしているところに乗じて、国政にもう一回来て、みたいなことは考えないのかな、と思って」

菅野氏「……考えておかしくないですよねえ、全然ね」

MC乙武は、小池氏が都知事になってからの政策には、子育てや女性政策など、自民党議員の頃よりリベラルな面が出てきていると指摘します。

菅野氏「小池さんは内政は人権や環境含めリベラルで、でも外交安全保障はタカ派で、とはいえちょっとマッチョ感があって、みたいな感じでいくと……そんなに合わなくでもないかもしれないですね」

とはいえ、菅野氏は「小池さんはアクロバティック、ジョーカー的な政治家と評されることが多い」と指摘します。

一方、国民民主党は「手堅い」というか「地味」というか「真面目」。

両者は補完し合うのでしょうか……?

菅野氏「わたしたちが話してもね、ここはどうなるものでもないし!」

MC乙武「僕ら野次馬なんで!(笑)」

今後の国民民主党の動きにも、引き続きご注目ください!

動画本編はこちら!

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