集客や採用の場で…広がる短編動画投稿サイト

短時間の動画が気軽に投稿できることから若者の間でコミュニケーションツールとなっているTikTok。最近では、企業が集客や採用などの場で活用する動きが広まっています。

先週行われた、TikTokで今年最も流行ったトレンドを選ぶ「TikTok Award」。大賞に選ばれた「ストリートスナップ」と呼ばれる、街行く人に声をかける写真撮影の動画は、これまでに合わせて13億回以上再生されています。

総務省が去年行った調査によりますと、SNSの利用者数は年々増え続け、日本の人口の8割以上が利用していて、多くの人の生活に影響するようになっています。

また、SNSのマーケティングを行う会社の調査では、TikTokのサービスが開始された当時は、利用者の大半を10代から20代の若者が占めていましたが、現在では30代から40代の利用者が5割近くを占めている状況です。

若者のみならず、幅広い世代に利用が拡大したTikTokを、企業活動に利用する動きが広まっています。

動画:「赤字閉店、プラックアンドプラントの店長をしている34歳。何をやっても客足がのびず、初月から100万円以上の赤字。このままだと店を閉店せざるを得ない。黒字化を目指すにはどうしたらいいのだろうか」

TikTokを活用したことで赤字から黒字に転じた店舗も。世田谷区にあるレストラン「プラックアンドプラント」では、去年のオープンから約100万円の赤字が4カ月続いていましたが、TikTokを活用し売り上げが4倍になりました。

この店の店長は今年2月、動画で「赤字」を全面的に押し出し、売上を向上させるにはどうすればいいのか視聴者に助けを求めました。すると視聴者から「飲食をやる見た目じゃない」「ロン毛は衛生的によくない」などのコメントが集まり、店長は髪を切るとともに清潔感を意識した服装にイメージチェンジしました。その結果、店を応援したいというファンが増え、都外からも客が訪れるようになったということです。

店長:「地方から来てくれるお客さんが多くて、ゴールデンウイークを使って来るとか、旅行で来るとか、この店めがけて来るとかの人がいるので、それは本当にSNSの力だと思う」

TikTokの活用は、企業の採用活動の場にも。千代田区にある物流会社では「求人」や「採用」などの言葉を使わずに、社員の採用を行ったところ、社員の若返りに成功しました。投稿を始めたおととしから、中途採用で入る社員の年齢が5歳ほど若返ったといいます。

イズミ物流 奥山さん:「SNSを使って、そこに登場する人物の個々のファンを増やす方が早いんじゃないかというので始めた」

現在の社員のなかには、会社のSNSを見たことで会社の雰囲気に魅力を感じ、入社した人も。

イズミ物流 石谷さん:「自分が就職活動していたときは、社内の雰囲気というのはすごく重要視していた部分だったので、会社の発信をしているとそういうものは伝わりやすかったりするのかなと思う」

この企業では、今後も投稿頻度や内容を改善し、新たに採用する社員を増やしていく考えです。

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