長崎県佐世保市の桜の聖母幼稚園に通う甲斐美咲ちゃん(6)が“絵本デビュー”を飾った。「作・絵 みさき画伯」として「あなたたちのおなまえは?」を出版。「世界中の人に見てもらい、友達をいっぱいつくりたい」と夢を育てている。
美咲ちゃんは昨年の夏、ふと、絵の具を使って絵を描き始めた。生産者市場の野菜や果物など、興味を持ったものだけが題材。約15分の観察後、約45分で書き上げるスタイルで、陰影も表現。市内の画材店で個展を企画すると、期間が延長される人気ぶりとなった。
九十九島動植物園(森きらら)で相次いで死んだライオンのアサヒ、チーターのキリの元気な姿を思い出の絵に。その作品はポストカードとして、米ニューヨークのカフェに展示された。目玉焼きを描く様子をインスタグラムで紹介すると、再生回数は420万回を突破するなど、非凡な才能で注目されている。
絵本にはバナナやマスカット、レモンなどの7作品をセレクトした。それぞれの果物が発表会で自己紹介をするような物語として表現。「ゆめはレモンケーキになることです キラリン」などと、絵に添えた文章にも感性が光っている。
プロ、アマの絵本販売を手掛ける「YOMO」(東京)のサイトで、9月から販売。市内の「TSUTAYA 広田店」「TSUTAYA BOOKSTORE させぼ五番街店」でも販売されている。
母親の佑子さん(37)は「娘の夢、挑戦を応援し、一番のファンでありたい。絵本が実現し、次は文章を英語にする目標があるようです」と話している。
佐世保市役所を訪れ、宮島大典市長に絵本を寄贈。宮島市長は「アサヒ、キリも喜んでいる。絵本作家の誕生を喜ばしく思う。好きな絵をいっぱい描いて、みんなに広めてください」。美咲ちゃんは「はい。頑張ります」と元気いっぱいに語った。