「宇宙刑事シャリバン」40周年企画に出演者8人集結、星野月子役の立花愛子は宇宙刑事の特訓受けていた

特撮ヒーロードラマ「宇宙刑事シリーズ」三部作の第2弾で、1983年からテレビ朝日系で放送された「宇宙刑事シャリバン」のイベント「宇宙刑事シャリバンSHUKETSU」が17日、都内で開催された。シャリバンこと伊賀電を演じた渡洋史、リリー役の降矢由美子がホストとなり、出演陣から当時の秘話が聞き出された。星野月子役の立花愛子は、第15話でゲスト出演した後、宇宙刑事になるため殺陣を稽古していたことを明かした。

星野月子は第1弾「宇宙刑事ギャバン」から登場し、マクー壊滅後は銀河連邦警察に入庁していた。シャリバン第15話ではギャバンこと一条寺烈(演・大葉健二)とともにゲスト出演し、これから宇宙刑事になるためバード星へ留学予定であることが描かれた。同34話で再びゲスト出演。銀河連邦警察でコム長官(演・西沢利明)らとともに、宇宙服姿で負傷したシャリバンを心配するシーンに登場していた。

立花は「34話では何の説明もなく、いきなり宇宙服を着ていましたよね。実は板橋にあった殺陣の訓練所に3日間通ったんです。月子を宇宙刑事にすると言われたんですけれど、私は運動が苦手で…。馬に乗ることはできたので、アクションもできると思われたのかもしれませんが、乗馬とアクションは全然違いますから。運動ができていたら、もう1話くらいゲストで出られたのかも」と、少し残念そうに振り返っていた。

イベントの司会は、療養が続き表舞台から遠ざかる大葉健二の次女で声優の新葉尚が務めたことから、大葉の思い出も語られた。

大山小次郎役の鈴木正幸は「夜トイレに行こうとした時に、(大葉が)目を開いて寝ているんだよ」と驚いたことを回想。マリーン役の名代杏子は「ギャバン隊長のイメージとはギャップが大きくて、ヒザかっくん、指でつついてきたり、ちょっかいを出す方でしたね」と、いたずら好きな一面を明かし、新葉を笑わせていた。なお、名代は2013年に77歳で死去したコム長官役の西沢利明についても「お父さんみたいで心強かった。今日も一緒に出たかった」と語った。

ジャパンアクションクラブ(JAC)の後輩である渡は「ギャバン」で共演したシーンを振り帰った。「劇中で助けた僕を、大葉さんはおんぶしながら立ち回りをしていた。さすがに翌日は筋肉痛で、お前のせいだ、と怒られましたけれど」と、その身体能力に驚いたという。

敵対する宇宙犯罪組織マドーのガイラー将軍を演じた栗原敏は、大葉とはJAC1期生の同期だった。「80人くらいが応募して、合格は30人。1週間後には5人になって、最後に残ったのは僕と大葉の2人だけだった。訓練は普通…いや、今なら大変なことになっているかな。でも命がけの仕事だからね」と、過酷な訓練を苦笑いで回想。両者の役柄は対照的だが「大葉は主役、自分は悪役。でも私、本当はいい人なんだよ」と言って、ファンを笑わせた。ミスアクマ1役の長門美雪、ドクターポルター役の吉岡ひとみも当時の思い出を振り返っていた。

トークイベント後は、全員がシャリバンの登場キャラになってアフレコを披露。最後は渡が「赤射!」と変身アクションを繰り出し、続いて栗原は木刀を振って「抹殺!」と叫び、当時のヘルメットを持参した吉岡は「幻夢界発生マシーン、作動!」と決めポーズを披露。会場に歓声と大きな拍手が起こっていた。

同イベントは「宇宙刑事シャリバン」40周年記念ブルーレイボックス発売を記念して開催。渡は前日にブラジルからの訪日観光ツアーで「シャリバン」の撮影現場を巡る企画に参加したことを報告。「大人が泣いて喜んでいた」と語り、作品のパワーを改めて実感。宇宙刑事シリーズの復活を熱望していた。鈴木も「大人たち皆が体を張って、真剣に作っていた」と作品の質を誇らしげに語っていた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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