東宝<9602>、東京楽天地<8842>をTOBで子会社化

東京楽天地の本社(東京・錦糸町)

東宝は、東京楽天地にTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。東宝は東京楽天地の株式23.07%(共同所有分を含む)を所有する筆頭株主。両社の関係は同一の創業者である小林一三によって設立された1937年にさかのぼり、いずれも不動産賃貸と映画興行を主力事業とする。コロナ禍後、収益環境が大きく変化する中、両社の経営を一体化して事業基盤の強化につなげる。買付代金は最大232億5000万円。TOBが成立すれば、東京楽天地は東証プライム市場への上場が廃止される。

買付価格は1株につき6720円で、TOB公表前日の終値4280円に57.01%のプレミアムを加えた。買付予定数は345万9825株。下限は所有割合24.29%にあたる145万8500株。第3位株主で9.86%を所有する文芸春秋(東京都千代田区)はTOBに応じる予定。買付期間は12月7日~2024年1月24日の30営業日。決済の開始日は1月31日。公開買付代理人はSMBC日興証券。東京楽天地はTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。

また、第2位株主で19.31%を所有する阪急阪神ホールディングスはTOBに応募せず、この阪急阪神所有分はTOB成立後に東京楽天地が自己株式取得を行うことになっている。

東京楽天地の前身は1937年に江東楽天地として設立し、「江東劇場」や「本所映画館」を開場。東証上場は1949年。1981年、東証1部に指定された(2022年4月に東証プライム市場に移行)。

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