関根勤さんらが登壇!「ママもまんなか」子育て支援プロジェクト in 西脇市

内閣政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)『「ママもまんなか」子育て支援プロジェクト in 西脇市』が12月17日、西脇市市民交流施設オリナスホール(兵庫県)で開催され、「子育てママの健幸づくり」と「子育てに優しいまちづくり」をテーマにトークなどが行われたほか、同支援プロジェクトの公式YouTube番組「ママもまんなか!スマイル健幸カフェ」の公開収録イベントも同時開催された。

第一部では、まず「中学生が考える地域医療作文発表会」が開かれた。西脇市では十数年前、研修医を含める医療関係者の減少や現場の疲弊などによって医療崩壊を起こした。しかし当時のママたちが「西脇病院小児科を守る会」を発足させるなど学びの機会を作り、西脇市の医療再生に尽力。そして現在、中学生たちがその意思を継ぐために医療関係者の声を聞くなどしており、その経験を通した作文も制作。

今回は西脇市4中学を代表し、黒田庄中学校3年生、藤井稀羅さんが作文を発表。西脇市のことが好きだと胸を張って言えなかったという藤井さんが、かつての医療崩壊について知って「驚きを通して怖さを覚えた」とし、小児科の減少による親の負担や子どもの数の減少などに危機感を持ったことを伝えた。その上で藤井さんは、「自分から立ち上がること」「誰かが振り絞った勇気を繋げていくことの大切さ」を訴えた。

続く「自分へのケアが子育てを上手く進めるコツ」では、筑波大学人間総合科学学術院教授で同大スマートウエルネスシティ政策開発研究センター長、そしてSIPプログラムディレクターも担当する久野譜也さんが登壇。成人女性の「痩せ」が他国に比べて日本が飛び抜けており、肥満だけではなく痩せすぎも糖尿坊など疾病リスクが高いことを説明。それが胎児・新生児の死亡率の上昇にも影響を及ぼしていると警笛を鳴らした。

また、「痩せ」によって筋力が減少し、「最近、抱っこができないママが増えている」と明かすと、会場内は驚きからざわつく声があがった。「そういったことを知らずに自分だけのことを考えていると、生まれてくる子どもに悪影響が出てくる」と知識を蓄える必要性を口にした。

第二部では、YouTube番組「ママもまんなか!スマイル健幸カフェ」の公開収録が実施され、公式アンバサダーであるタレントの関根勤さん、野々村友紀子さん、小林よしひささん、そして保健師・スポーツウエルネス学博士の塚尾晶子さん、兵庫県小児科医会会長で藤田小児科医院理事長の藤田位さん、前出の久野譜也さんが出演。人気お笑いトリオ、ロバートの秋山竜次さんによる動画コントを題材に、育児について話し合った。

1本目の動画は、母親はいつも笑っていなければならないと笑顔を強要する男性を秋山さんが演じた内容。ママの多くは、育児の大変さから笑えない状況も多々あることから「わかっているけどできない時、どうしますか?」というメッセージが投げかけられた。また2本目は、泣き止まない赤ちゃんの対処法をAIに尋ねるママのエピソード。「AIに子育ての相談するのは間違いなのか」「子育ての相談、みなさんは誰にしていますか?」と問いかけられた。

関根さんは、「お子さんは個性が一人ひとり違う。焦らない方が良い」とそれぞれに合った子育てがあると話した。

野々村さんも、「(秋山の)1本目の動画みたいに何かを押し付けてくる人はしんどい。『母乳にせなアカン』『抱きグセがつくから抱いたらアカン』とか。私も以前、子どもをデパートに連れて行ったとき、『寒いから靴下を履かせてもらい』と声をかけてきた人がいた。それって余計なお世話なときがあります」と振り返った。

ただ、そういった悩みを人に打ち明けづらいのが育児の現状。藤田さんは小児科医として「直接言いづらいことがあるだろうから。交換ノートでやりとりすることがあります。子育てのつらい思いなどがそこには書かれているんです」とアドバイスを送っているという。

そういったサポートがあることで、関根さんは「うちの孫が毎週のように風邪をもらってくるんですけど、行きつけの先生から『子どもは小学1年生くらいまで100回くらい風邪をひいて、免疫が強くなっていくんですよ』と教えてくださって。それで(娘の)麻里も安心したことがあるんです」と、話を聞いてもらうこと、尋ねることで安心できると語った。

西脇市では妊娠中の不安、子育ての悩みなど知りたい情報が相談できる機関や施設が充実。その中の一つに児童館、図書館、地区コミュニティ、男女共同三角センターの4つの機能を持つ茜が丘複合施設MIraieが紹介された。こういった施設は全国的に利用が躊躇されることが多いそうだが、久野さんは「全部、お医者さんに任せるというわけにはいかない。困ったらこういった施設に行くべき」、塚尾さんも「(出産や育児について)困ったことや相談があればぜひ利用してほしい」と呼びかけた。

さらに同施設にある健康教室「健幸スマイルスタジオ」によるオリジナルコンディショニングメニューの体験会も催され、、肩甲骨回しのコンディショニングエクササイズなどを実践。野々村さんは「身体が軽くなりました」、関根さんも「簡単ですから、毎日やりましょう」と生活に取り入れたいと話した。その後も、小林さんが子どもたちと一緒にさまざまな手遊びをするなどし、参加者も楽しい時間を過ごした。

ちなみに同シンポジウムでは会場前方にヨガマットが敷かれ、ママたちはちびっ子たちを遊ばせながら講演に耳を傾けた。子どもが元気にはしゃいでも気兼ねしなくても良い空間づくりが成され、関根さんは「今日はお子さんも楽しんでくれて。和気あいあいとね。お子さんたちが目の前でこうやって遊んでいる(シンポジウム)会場はなかなかないですけど、楽しいですね」と笑顔を見せ、久野さんも「子どもがワー、ワーと言うのは普通。そういう町に西脇がなっていく」と子育てがしやすい町として、西脇市のさらなる発展を期待した

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