“裏金疑惑”国会議員への捜査はどうなる? 目安になるのは「不記載の金額」?【大石アンカーマン解説】

(夏目みな美キャスター)
依然、所在不明で自民党の県連会長でも連絡が取れないという池田議員、どこにいらっしゃるんでしょうか?

多額の裏金疑惑がありながら未だきちんと説明をしていない、この(東海)地方選出の議員は池田議員と、もう1人の大野議員になります。

(柳沢彩美アナウンサー)
比例東海ブロック選出の池田佳隆議員ですが、4000万円を超える不記載の疑いがあります。少なくとも国会会期中の12月初めから公の場に姿を見せていません。

事務所が3200万円の不記載を認めたんですが、これは政策活動費だと認識していたとコメントしています。

そして、約5000万円の不記載の疑いがある参議院岐阜選挙区の大野泰正議員なんですが、報道陣に対して「精査している」と繰り返していました。

12月13日、秘書がキックバックがあったことを認めています。

(夏目キャスター)
今回、疑惑を持たれている議員の中でも、この2人は非常に高額な部類に入るんですけれども、議員個人への捜査というのは今後どうなるんでしょうか?

(大石邦彦アンカーマン)
捜査が今後、どういう形で発展していくのかは分からないですが、捜査するにあたって一つ目安になりそうな数字というのがあるんです。

それは「4000万円」なんです、これは何かといいますと、2022年に薗浦健太郎元衆議院議員が約4000万円のパーティー券収入を収支報告書に記載しなかった。
総額は飲食費などを含めると4900万円に膨れ上がったということですが、略式起訴されて罰金100万円、公民権停止3年の処分が下ったわけです。

この4000万円と同じ額でいうと、池田佳隆議員と谷川弥一議員になります。

さらに、その上ということになりますと、「5000万円」の大野泰正参議院議員になるんですね。

一方で、1000万円レベルの顔ぶれの中では、きょう21日に動きがありました。

松野博一前官房長官が任意で事情聴取されると、その要請があったということなんです。

もちろん、会計責任者との共謀性、そして悪質性、常習性も加味されると思いますが、この方が捜査の対象になってくるとなると、どうなるのか。

(夏目キャスター)
金額が多かろうが少なかろうが、国民感情としてはアウトのような気もするんですが、金額が一つの目安になるということなんですね。

安倍派の疑惑にとどまらず、二階派の派閥の事務所にも家宅捜索が入っていますが、安倍派の閣僚は一斉に交代となりましたが、二階派の閣僚は残っている、この違いは何なのでしょうか?

(大石アンカーマン)
ここがよく分からないんですよね。

安倍派は4人の大臣が辞任して5人の副大臣も辞任しているのに対し、二階派は派閥を離脱した小泉龍司法務大臣、自見英子地方創生担当大臣の2人とも無傷。

例えば、安倍派の鈴木淳司前総務大臣も、「不記載」を認める前に辞任は決まっていたわけです。

宮下一郎前農水大臣は、いま疑惑すらないのに辞任に追い込まれた。条件は一緒なのになぜこんなに待遇が違うのかということなんですが、岸田総理はこう言っています。

「政策集団がどうだということではなく、1人1人の事情を踏まえて判断した」と20日に語っているんですけれども、1人1人の事情を踏まえても、何かよく分からない人事だなという気もします。

今後、こういった非常に分かりにくい説明ではなく、分かりやすい説明をしてもらわないと、国民は納得できないと思います。

© CBCテレビ