渡海氏「派閥弊害なくす」 萩生田氏後任の政調会長へ

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、岸田文雄首相は安倍派の萩生田光一政調会長を交代させ、後任に渡海紀三朗元文部科学相(75)を充てる党役員人事を22日正式決定する。安倍派事務総長の高木毅国対委員長の後任には浜田靖一前防衛相(68)を起用する。渡海、浜田両氏は無派閥のベテラン。渡海氏は21日、政治改革の党内議論に意欲を示し「派閥の弊害をなくさなければならない」と記者団に強調した。

 岸田文雄首相は新たな布陣で、「政治とカネ」問題に揺れる政権の立て直しを図る。

 21日、自民の中曽根康隆青年局長代理、鈴木貴子女性局次長ら若手を官邸に呼び、地方組織の青年・女性部局から意見を吸い上げ、報告するよう指示した。「党全体で危機感を共有し、国民の声を謙虚に聴かないといけない」と語った。党改革に取り組む姿勢を示す。

 渡海氏は官邸で記者団の取材に応じ、派閥の弊害解消を課題に挙げた。政治改革に向けた新組織創設を含め、党内議論の必要性を指摘した。渡海氏は1993年に政治改革推進を訴えて自民を一時離党した経験がある。

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