神戸市は「掬星台(きくせいだい)」などの夜景で知られる摩耶山上エリアの活用について、民間事業者からアイデアを募るサウンディング型市場調査の結果を発表した。閉館した公共宿泊施設「オテル・ド・摩耶」(旧摩耶ロッジ)の跡地を宿泊施設などに活用する案が出た一方、観光アクセスの改善を条件に挙げる事業者もあった。
市はオテル・ド・摩耶が21年3月末に閉館したのに伴い、エリア一帯の再整備を検討。今年9~10月に実施した調査には5社が参加し、①摩耶ロッジ跡地ゾーン(約7300平方メートル)②掬星台ゾーン(約8200平方メートル)③こどもの丘ゾーン(約3800平方メートル)-に分けて活用策を聞き取った。
摩耶ロッジ跡地や掬星台周辺については5社中4社が宿泊施設やレストラン、温浴施設などの活用策を挙げ、一定のニーズが確認された。ただ、投資するにはロープウエーなど公共交通の改善や、駐車場の増設が必要とする声も上がった。市は今後、具体的な再整備方針を策定するという。
市観光企画課は「摩耶山で夜景を見る観光客は多いが、滞在する施設がない。六甲山エリアとの回遊性も備えた計画を立てたい」とする。(井沢泰斗)