冷静な対応、特殊詐欺防ぐ コンビニ店員連携、詐欺相手と通話中を阻止 郵便局員の機転、手続きせかされる女性を交番に同行

三田署の柱谷昌彦署長から感謝状を受け取る、三田フラワータウン駅前郵便局の平田龍之介さん(中央)とローソン三田福島店の石田浩章さん(右)=三田市天神1

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警三田署が21日、ローソン三田福島店(三田市福島)と三田フラワータウン駅前郵便局(武庫が丘7)に署長感謝状を贈った。どちらのケースも社員らが冷静に対応した。

 11月8日午後9時前、ローソン三田福島店に50代の女性が訪れた。現金42万円で電子マネーを購入しようとしているのをレジのアルバイト女性が不審に思い、別のアルバイト女性を通じてサブリーダーの石田浩章さん(55)に連絡した。

 石田さんが事情を尋ねると、女性は「パソコンがウイルス感染して警告が表示された」。あまりに高額なため、石田さんは修理代金などを詐取する「サポート詐欺」を疑い、同署に通報した。女性が所持していた携帯電話は詐欺相手と通話状態だったという。

 三田フラワータウン駅前郵便局には11月21日午後5時半ごろ、60代の女性が訪れた。携帯電話で通話しながらATMを操作しているのに女性局員が気付いた。

 女性は市の介護保険課の職員を名乗る男から「介護保険料の還付金がある」と連絡を受け、手続きをせかされていたという。主任の平田龍之介さん(47)らが説得を試みたが、女性はなおも慌てた様子で電話口からは大きな声が聞こえた。送金手続きを止め、近くの交番に同行すると女性は落ち着きを取り戻した。

 2人が代表して同署の柱谷昌彦署長から感謝状を受け取った。石田さんは「落ち着いて対応できた。これからもお客さんの行動に注意したい」と話し、平田さんは「財産を守るのも郵便局の仕事。慌ただしい年末年始を迎えるので気を付けたい」と述べた。(橋本 薫)

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