兵庫・播磨地域の3スキー場、オープン間近 暖冬や燃料高でもサービス充実して集客へ

新型の人工降雪機でゲレンデの造雪作業が急ピッチで進む「ちくさ高原スキー場」=宍粟市千種町西河内

 寒波の影響で、ようやく兵庫県西播地域の気温もぐっと下がってきた。宍粟市や神河町に3カ所あるスキー場は、間もなく営業を始める。物価高や暖冬の影響を受けつつも、集客のための試行錯誤が続く。オープンを前に各地で地元関係者を招いた祈願祭が開かれ、今季の安全やにぎわいを祈った。(村上晃宏、喜田美咲)

 「ちくさ高原スキー場」(宍粟市千種町西河内)は今季、新型降雪機3台を新たに導入し、計22台で造雪する。昨季は機材の故障で中止したキッズパークを再開。子どもがスキーやスノーボードを安心して練習できる場を整え、家族連れの呼び込みにも注力する。

 自社サイトで販売するリフト券の種類を増やし、事前決済システムで迅速な発券を進める。食堂のメニューも強化し、今期の入場者数の目標を前季比約1万5千人増の8万人と見込む。

 今月中旬にオープン予定だったが、一時的に気温が上がった影響でゲレンデの雪が解けてしまい、延期せざるを得なくなった。現在は23日の開業を目指し、急ピッチで準備を進めている。運営会社「ちくさリゾート」の高橋大樹代表取締役(40)は「物価高騰の影響はあるが、リフト券やレンタル代などの値段は据え置き、利用者のニーズに応えたい」と話す。

 天然雪が特徴で土日と祝日に営業する「ばんしゅう戸倉スキー場」(同市波賀町戸倉)は、コースにポールを設置する作業やリフトの動作点検をしながら、大規模な積雪を待つ。

 今季は地元へのサービス向上のため、宍粟市民を対象にした割引を実施。平日限定でゲレンデを貸し切れるサービスも継続し、周辺とはひと味違う楽しさを提供する。

 天然雪のみでゲレンデをつくるため、暖冬予報に気をもむ。23日にオープン予定だが、現時点では十分な雪が積もっておらず、当面は雪遊びができるキッズパークのみの営業になりそうだという。同スキー場の田中真人管理人(59)は「雪がないと、そもそも営業できない。たくさん降るのを祈るばかり」という。

 神河町上小田の「峰山高原リゾート ホワイトピーク」は暖冬の影響を見据え、例年より1週間遅い22日、一部のコースから営業を始める。

 人工雪で運営するため、今年は暖冬に備えて降雪機を5台追加。電気代は高騰により昨年に続いて平年の倍近くなる見込みで、物価高も考慮し、人気のキッズパークの入園料を週末のみ300円値上げした。

 2017年の開業以降、初心者も楽しめるコースを備え、利用客は2年連続過去最多を更新。関西初出店のラーメン店のメニューを提供するなど、飲食も充実させている。運営するMEリゾート播磨の正垣努社長(46)は「人工雪は安定して供給できるので、心配は少ない。今後の冷え込みに期待」と話した。

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