業務用チーズも二極化進む 外食デザートの可能性に期待 宝幸

宝幸の業務用チーズは、市場が回復基調の外食向けの売上が牽引し、金額ベースで前年を上回った。下期も家庭用と同様「新しいことに積極的にチャレンジしていく」を掲げ、デザート向け商品など業界の垣根を越えたチーズの提案を一層強化する。

同社の業務用チーズは大きくパン・メーカー・外食向けに分けられる。上期の特長として、大手製パン向けとリテール向けで二極化の動きが見られた点が挙げられる。

大手製パン向けチーズは主にCVSの袋パンなどで利用されるが、上期はリテールに比べ動きが鈍かった。「大手製パンの場合、売価がある程度決まっている。中具の選択肢として(価格が上がっている)チーズが選ばれる機会が少なかった」(担当者)と推察している。価格重視の商品の場合、単価が上がると販売機会を逃してしまうといった懸念もある。

一方でリテールや街のパン屋は、商品の差別化でチーズを使うことも多い。「せっかくなら思い切り使ってみよう、変わったチーズを使ってみようなどチャレンジし、その分売価を上げることができる。当社としても価格以外での提案ができる」(同)。

同社が提案を強化している商品の一つに「レアチーズケーキの素(300g)」がある。電子レンジや湯煎で加熱後、冷蔵庫で約3時間冷蔵して作る。ジャムやヨーグルトを加えたアレンジや、適量を冷やし固めるだけという簡便性で、オペレーション短縮できるという点もポイントだ。

「外食のデザートは冷凍食品も多く差別化が難しい。二極化の流れもそうだが、外食は基本的に単価を上げたい。そのためにメーンだけでなくデザートも魅力的にしたい声も多い」という。「レアチーズケーキの素(300g)」は、例えば季節に合わせた果肉入りヨーグルトや外食オリジナルの飲料などを掛け合わせることで、独自性の高い商品ができる。

また、市販用でもデザートが伸長していることから、手間をかけずにおいしく特長ある商品を提案できる点で、外食デザートにも可能性を感じている。

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