猫は『オス・メス』で性格が違う?それぞれの3つの傾向と、性別ごとの上手な付き合い方

オスの一般的な性格

去勢をしていないオスは、ホルモンの関係で自分の所有権を主張して、同じオス同士で争いが起きやすくなります。しかし、現在の飼い猫の多くは去勢手術を行っていることが多いため、今回は去勢済みのオスを対象とした性格の3つの傾向を紹介します。

1.冒険心と好奇心が旺盛

オス猫は生まれた場所から移動しながらテリトリーを広げることから、新しい環境への適応力が高いことがあります。

独自の遊び場を見つけて何時間も過ごしたり、新しいおもちゃに真っ先に好奇心を示したりすることも多いでしょう。

また、オス猫ははじめての猫や人にも積極的に接近します。これは、環境内で自分の地位を築いて、自信を持って過ごせるようにすすんで立ち振る舞っている証拠です。

相手との関係性の良し悪しは、メス同士よりも明確に出ることが多いでしょう。

2.仲間意識が強い

去勢したオス猫は闘争心がなくなるため、本来の社交性が良い方向で発揮されることがあります。兄弟猫の場合は、大きくなっても一緒に丸まって寝ることも少なくありません。

また、新しく迎えた子猫に対して、先住のオス猫が進んでお世話をすることもあります。これは通常の猫の生態においてはとても珍しいことですが、飼い猫ではたびたび見られます。

また、異種動物(イヌや鳥など)とも仲良くなれるのは、メスよりもオスに多い特徴です。

ただし、猫には狩猟本能がありますので、小動物と猫を安易に近づける行為は事故を起こす原因となります。注意しましょう。

3.母猫や飼い主への依存度が高い

家の中でのあと追いや、大きな声で要求を通そうとするのはオス猫に多い傾向です。

愛猫が甘えてくるのはかわいいものですが、飼い主と離れることに異常なまでの不安を感じ、留守番中の粗相や自傷行為、物を壊すなど問題行動を起こすようであれば「分離不安症」という病気の可能性もあります。

この病気もオス猫に多い傾向にあり、飼い主への依存度が高いことがわかります。

また、母猫も同居している場合は、執拗な後追いや甘え行動によって猫同士の関係が悪化してしまう可能性があります。

メスの一般的な性格

猫は基本的に子育てを母猫1匹で行うため、メス猫は防衛本能が高く、自分や家族を守ろうとする傾向が強くあります。遺伝的な要因や環境の影響も関係しますが、これは避妊されている飼い猫も同じです。

1.冷静で独立心が強い

子猫のときにやんちゃだったメス猫も、大きくなるにつれて単独行動が目立つようになってきます。

メスは独立心が強く、自分のリズムで生活することが少なくありません。まさに単独生活をする動物。子猫の頃は甘えん坊だった子も、大きくなれば留守番中は寝ているか、外を見ているなど、決まったパターンが増えてくるでしょう。

同居の猫が遊んでいても離れて見ているだけか、寝床から出てこないこともあるかもしれません。

おもちゃは新しいものよりも、自分のお気に入りにこだわりを持ちます。同時に食べ物へのこだわりが強いのもメスの方が顕著です。

2.ずっと同じが好き

こだわりがあるという点は、保守的で変化を好まない傾向を指しています。

メス猫は、うちの中でも行動する範囲はあまり広くありません。ふだん過ごす場所も固定されることが多いでしょう。

自分の生活パターンを重要視するため、模様替えなどの変化や急な来客に対しても慎重です。予測ができない不安定な状況を嫌うため、ストレスを貯めやすい傾向にあります。

ほかの猫を新しく迎え入れるときの対面には十分な慎重さが必要です。

3.飼い主への信頼度が高い

メス猫は強いこだわりや慎重さを持つ中でも、毎日の食事を与え、トイレをきれいにしてくれる飼い主に深い信頼を寄せてくれます。

一般的に信頼度は身体の密着(抱っこや添い寝)に比例しますが、夜一緒に寝てくれないからといって信頼されていないという訳ではありません。

自分を庇護してくれる相手としておねだりしてくるオス猫と比べ、メス猫は飼い主のことを「同等の仲間」として相手のペースを尊重するような行動を取るため、一線を置いているように感じることがあるのかもしれません。

性別ごとの付き合い方

オスとメスで基本の性格が異なれば、ふだんの接し方にもちょっとしたコツが必要です。

  • オス猫とは、一緒にたのしく遊んで連帯感を築く
  • メス猫とは、猫の独立心を尊重しつつ、一緒に過ごす時間を楽しむ

仲間意識が強く、他者との交流を楽しめるオス猫は、おもちゃを使って一緒に遊ぶのが大好きです。

若いオス猫は特にエネルギーの塊です。定期的に、部屋の広い場所で走らせてあげるとよいでしょう。お留守番によるストレスも解消できます。

一方、落ち着いて過ごしたいメス猫は、ひとりでいるときには干渉せず、自由な時間を与えることが大切です。

猫のほうから近くに寄って来たら、抱っこやブラッシングなどでたくさん触れてあげましょう。信頼度が高まり、より親密な絆が築けるでしょう。

まとめ

オスとメスは遺伝子や性ホルモンによって決まるため、性別に基づいてその性質(性格)も影響を受けています。

オス猫は、新しい環境への冒険心や仲間意識が強く、飼い主に対して頼りがちです。一方のメス猫は冷静で変化を好まない傾向があります。

しかし、飼い猫は不妊手術によって性ホルモンの分泌が減少します。そのため、一般的な傾向は多少残るものの、控えめで変化を好まないオスもいれば、冒険心たくましい活発なメスもいるのが現状です。

猫との良好な関係を築くためには、個々の性格を理解し、その特徴に合わせた接し方を心がけることがポイントです。

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