オークションに出品されたハミルトンのレーシングスーツが約3400万円で落札。2007年のF1初優勝時に着用

 ルイス・ハミルトンのファンなら誰でも興味をそそられる出来事があった。ハミルトンが2007年のF1第6戦カナダGPで初勝利を挙げた際に着用していたレーシングスーツが、オークションで24万1300ドル(約3400万円)という高値で落札されたのだ。

 ハミルトンの輝かしいキャリアを称えているサザビーズのカタログ『Icon of Excellence』第一版に取り上げられたこのレーシングスーツは、あの重要な出来事を具体的に思い起こさせるものだ。当時22歳でマクラーレンのルーキーだったハミルトンは、初勝利を達成する前に開幕5戦ですでに5回表彰台を獲得していた。しかし彼がF1に真の足跡を残したのは、初ポールポジションを獲得したカナダだ。

 レースは古典的なF1ドラマのように展開した。ハミルトンはトリッキーなスタートをなんとか乗り切り、首位を奪おうとするフェルナンド・アロンソの試みをかわし、複数回のセーフティカーランやリスタートを持ちこたえ、その間ずっと冷静な態度を崩さなかった。

2007年F1第6戦カナダGP ルイス・ハミルトン(マクラーレン)

 愛好家やコレクターが所有権を争うなか、RMサザビーズのオークションは、手に取ることができるF1の歴史の一部を確保するためのプラットフォームになっただけでなく、ハミルトンの永続的なレガシーを象徴する場ともなった。この品を巡る大きな関心と入札は、その文化的かつ歴史的重要性を浮き彫りにし、オークションは7度の世界チャンピオンの画期的な功績と、F1の豊かな過去との具体的なつながりを尊重する情熱的なコミュニティを祝うものとなった。

 また、幸運な落札者にとって喜ばしいことに、オークションに出されたこのレーシングスーツは『Sports Investors Authentication』によって写真照合が行われ、単なる古いレーシングスーツではないことが保証された。さらにこのレーシングスーツは、ハミルトンがカナダGPのレースだけでなく、そのわずか1週間後にキャリア2勝目を挙げたインディアナポリスでのアメリカGPでも着用していたものだ。

2007年F1第7戦アメリカGP ルイス・ハミルトン(マクラーレン)

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