高速道、トラック最高90キロに 物流2024年問題で引き上げ

高速道路を走行するトラック=2020年12月、静岡県沼津市

 物流業界で人手不足が深刻化する「2024年問題」に対応するため、高速道路のトラックの法定速度を議論してきた警察庁の有識者検討会は22日、総重量8トン以上の中大型トラックの最高速度を、現行の時速80キロから90キロに引き上げても交通安全に影響はないとする提言をまとめた。最高速度引き上げで輸送効率の向上が期待できる。

 警察庁は提言を受け、道交法施行令改正に着手する方針。24年4月の施行を目指す。

 24年4月からトラック運転手の残業規制が強化されるため、物流の停滞が懸念されている。物流業界から政府に最高速度引き上げの要望が出され、警察庁が7月に検討会を設置していた。国内で初めて高速道路が開通した1963年以降、大型トラックの速度規制の変更はなかった。

 提言によると、中大型トラックが絡む高速道路上の人身事故は、2003~07年は4037件だったが、18~22年は1927件に減少。今夏に全国15カ所の高速道路で走行中の中大型トラック約3千台の速度を調べると、80キロ超で走る車両も多く見られた。

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