【有馬記念/追い切り診断】人気GI馬に不満の「B」評価 「安定感のある馬だが……崩れるシーンも想定」

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■スターズオンアース

【中間調整】昨年の牝馬クラシック2冠馬。以降は勝ててこそいないか、すべてGIで走り3着を外さない安定感は驚嘆ものだ。この秋は本来天皇賞から始動の予定が爪の不安で回避。スライドして臨んだ前走・ジャパンCは順調さを欠いて臨んだ分どうかと思われたが、外(17番ゲート)からスッと好位を取りに行ったW.ビュイック騎手の好判断もあり、リバティアイランドに1馬身差の3着とここでも好走を果たした。その後、イクイノックス引退で体が空いたC.ルメール騎手とのコンビ再結成で有馬記念へ進むことが、12月1日にオーナーサイドからアナウンスされた。

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短期放牧先の山元トレセンから12月8日に美浦へ帰厩。10日に坂路15-15を消化し、14日に1週前追いとしてウッド3頭併せを行った。そこまで無理をさせず反応面を確認する内容。仕掛けられた際手前を替えるのに少し手間取ったようだが、格下2頭を相手に悠々最先着を果たしている。

【最終追い切り】レース当週はC.ルメール騎手が騎乗し、ウッドで外先行2頭を追い直線では最内に進路を取る3頭併せ。追われてバタつく相手2頭に対し、スターズオンアースは貫禄たっぷりのブレが少ないフォームでアオる。直線半ばで自然と抜け出し、ややフワりとしたものの楽な手応えを保って最先着とした。

【見解】走るフォームや切れなどは前走から良化。しかし、ところどころにぎこちなさや気を抜く場面などがあり、精神面でのブレが残った状況なのは気になる。今回ウッド3F36秒台以下が1本もなく、上積みを求めるというよりは安定を取りに行った攻め過程のぶん、“ガス”を出し切ることができていないのかも。ここまで特筆レベルの安定感を誇ってきたが、今回は自身初の中3週臨戦でもあり、崩れるシーンは想定しておきたい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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