インボイスの負担1700億円 新消費税で24年度、さらに重く

財務省=東京・霞が関

 財務省は22日、消費税のインボイス(適格請求書)制度の導入により、これまで納税を免除されていた零細事業者やフリーランスが制度に参加することなどで新たに生じる消費税の負担が、2024年度は約1700億円になるとの試算を明らかにした。24年度はまだ零細事業者などの税負担を軽減する時限措置があるが、今後段階的に縮小するため負担はさらに重くなっていく見通しだ。

 インボイスは、消費税が10%と8%の複数税率であることに対応した請求書類で、納税額を正確に計算するため導入された。売上高1千万円以下で消費税を納めていない零細の免税事業者が制度に参加してインボイスを発行するには、納税義務のある課税事業者に転換する必要がある。

 当面は様子見で転換を見送った人も多いが、その場合、免税事業者と取引する発注元の企業が税負担を肩代わりすることになる。このため立場の弱い零細やフリーランスが一方的な値引きを求められるなどのケースもあり、公正取引委員会が独禁法違反の恐れがあるとして注意を行っている。

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