ラリードライバー勝田範彦に直撃インタビュー 業界の裏側を聞く 「ラリーの救世主はモリゾウさん」

「激走!ラリーTV」で話すスタジオメンバー

11月16日からの4日間、愛知・岐阜で開催された「ラリージャパン2023」。注目されたのは日本人唯一のWRCドライバー・勝田貴元選手だ。一時はSS2のクラッシュで31位まで順位を落としたが、その後、怒涛の追い上げを見せて見事5位でフィニッシュした。

そんな勝田貴元選手の父親は全日本ラリー選手権を舞台に活躍する現役のラリードライバー・勝田範彦さん。今回は12月9日に放送されたテレビ愛知の番組「激走!ラリーTV2023」の収録後に勝田範彦さんを直撃! ラリー界の今を語ってもらった。

ラリードライバー自ら番組で魅力を発信!

ラリードライバー・勝田範彦さん

――「激走!ラリーTV」に長年出演していますね。

1年を通して、ストーリーがあるっていうのが、すごく良いと思っています。誰にでも分かるように番組が作ってあるんです。ラリーの迫力も見ていて伝わりますね。

――毎回ゲストとして、どんなスタンスで番組に取り組んでいますか?

スタジオに来る前は、めちゃくちゃ緊張しているんですよ。精神統一というか、気合いを入れるために無心になる時間を設けていますね。

2023年も盛り上がりを見せたラリージャパン

TGR

――2023年もラリージャパンが愛知・岐阜で2回目の開催となりました。盛り上がったように見えましたが、勝田さん自身はどのように感じましたか?

2022年以上に盛り上がっていましたね。1番大きいのは、スタジアムだと思います。豊田スタジアムで行われたSSS(スーパースペシャルステージ)ですね。

通常、ラリーは見るのが難しいんです。特にSS(スペシャルステージ)。SSは閉鎖した一般道をラリーカーが1台ずつ走行してタイムアタックを行うコースです。1度SSの中に入ると、身動きが取れなくなるんですよ。

しかしスタジアムができたことによって、2台同時に出走して競争が見られるんです。中継で大型ビジョンか、山を走っているときの様子がライブで中継されるのも面白いですよね。スタジアムに行けばラリーが全部楽しめる。それはすごく大きいと思います。

ラリー人気の立役者はモリゾウさん

――かつて日本のモータースポーツ界では、F1に比べラリーの浸透度はやや低い印象もありました。ここまでのラリー業界の変化をどのようにとらえていますか。

ラリー業界の救世主がいるんですよ。モリゾウさん(豊田章男さん)です。モリゾウさんがラリーを始めてから、とてもラリー人口が増えました。TGRラリーチャレンジもそうなんです。エントリーが数台しかいなかった時もありますが、それが今では100台を超えているんですよ。90台までしか出られない。それぐらい人気が出てきました。最近になってWRCとか世界選手権をやるようになって、貴元(選手)もそこに出られるようになったのが非常に大きいと思いますね。

・モリゾウ=トヨタ自動車 豊田章男会長のレーシングドライバー名。
・TGRラリーチャレンジ=ラリー初心者も参加出来る登竜門的大会。初心者にも優しいコース設定で、安全かつ手軽にエントリーでき人気上昇中。

■勝田範彦
1968年生まれ、愛知県出身のラリードライバー。WRC参戦中の勝田貴元は長男。1993年に全日本ラリー選手権にフル参戦。2007年に年間6勝を挙げて初の全日本チャンピオンに。以後、2008年、2010年から4連覇、2016年と2017年を連覇と計8回のタイトル獲得。2021年には長年所属したスバルを離れ、TOYOTA GAZOO Racingに移籍。JN1クラスに初参戦のGR YARIS GR4 Rallyで挑み、シーズン後半で4連勝と追い上げて自身9度目のタイトルを決めた。テレビ愛知の番組「激走!ラリーTV」では、毎回ゲストとしてラリーの魅力を発信している。

© テレビ愛知株式会社