スイーツには黒ビールが合う！5つの甘いスイーツと黒ビールのペアリングを試してみた

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「スイーツには黒ビールが合う」という話を聞いたことがありますか？

黒ビールの特徴といえば、黒い液色。その色を作り出しているのが、麦芽を焙煎することでできる濃色麦芽です。濃色麦芽を使うことでコーヒーのように香ばしく濃厚な味わいになり、麦芽の甘みが引き立ったビールなどが多く展開されています。

また、ペアリングの方法のひとつとして「同じ味同士で合わせる」というものがあり、その所以から“濃厚で甘い黒ビール”と“濃厚で甘いスイーツ”とのペアリングがおすすめされているのです。

「しかし、黒ビールと一括りにいっても様々なスタイルがあり、味わいにも種類がある…。それなら、いろんな黒ビールを飲み比べしつつ、それぞれがどのスイーツと合うのか試してみたい…！」と思った編集部。

そこで今回、クリスマスシーズンによく食べられるであろう「シュトーレン」「ショートケーキ」「モンブラン」「チョコレートケーキ」「チーズケーキ」のスイーツ5種と、黒ビール5種を用意。どの組み合わせがベストペアリングなのか、探してみました！

もくじ・合わせた黒ビール5種
・スイーツに合う黒ビールはどれだ
・スイーツのお供には黒ビールを

合わせた黒ビール5種

“黒ビール”と一括りにいっても、スタウトやポーター、シュバルツなどなど様々なビアスタイルがあります。

※黒ビール詳細記事：【イラスト解説】あらためて知りたい！黒いビールのこと

そこで今回は、市販で手に入りやすい黒ビール5種を選んでみました。飲み比べてみたのはこちら！

■「ヱビス プレミアムブラック」

サッポロのヱビスブランドから展開されている「ヱビス プレミアムブラック」は、炭焼きされた麦芽「プレミアムロースト麦芽」を使用し、3度にわたり麦芽のうまさを引き出す伝統的な3回煮沸法を採用。ヱビスらしい味わいに仕上げるため吟味された酵母で長期熟成しつくられています。

香ばしく甘みもあって芳醇な味わいですが、飲み比べてみると意外と軽くとっつきやすい印象でした。香りと味わいのバランスが良く、心地良い余韻に浸らせてくれます。

 ヱビス プレミアムブラック

■「COEDO 漆黒-Shikkoku-」

COEDOの「漆黒-Shikkoku-」は、その名前の通り真っ黒な液色と茶白色に染まった泡が映える長期熟成ビール。

ラガーならではの軽やかさがあり、見た目の印象より重すぎることはなく飲み口はスムース。アロマホップの香りを心地良く、ロースト麦芽の風味も感じます。

 COEDO 漆黒 -Shikkoku-

■「ドラフトギネス」

「ドラフトギネス（缶）」の最大の特徴といえば、クリーミーな泡。注いだ瞬間から湧き上がる泡の秘密は、缶の中にある「フローティング・ウィジェット」と呼ばれるもの。窒素ガスが封入されていて、プルタブを開けるとフローティング・ウィジェットから窒素ガスがビール内に放出され、きめ細かい泡が生まれます。そのため、グラスに注いで目でも楽しむのがおすすめのビールです。

クリーミーな泡に加え、なめらかなのどごしが楽しめます。ロースト麦芽の苦みはおだやかで、甘みとのバランスが絶妙でドライな後口です。するすると飲みやすく、飲み比べてみるとライトボディだなと感じました。

【詳細記事】缶と瓶、それぞれ中身が違うって本当？260年の歴史を持つ『ギネス』について掘り下げてみた

 ドラフトギネス

■「アサヒ生ビール 黒生」

1982年に日本初の缶の黒生ビールとして発売した「アサヒ生ビール 黒生」は、一時終売してしまいましたが2022年にパッケージを新たに復活しました。

ミュンヘンビールの流れをくむ黒ビールで、麦芽の芳ばしい香りがあり、味わいは苦みは控えめで麦芽の甘味もありまろやか。

 アサヒ生ビール 黒生

■「キリン一番搾り〈黒生〉」

一番搾り麦汁だけを贅沢に使用してつくる、キリン独自のビール製法でつくられる「キリン一番搾り〈黒生〉」。一番搾りと同様の低温麦汁ろ過を採用し、麦芽の配合を工夫しています。

芳醇な旨みを感じ、味わいには雑味がなく飲みやすい。飲み比べてみると一番ボディに厚みがあり、酸味もある方だと感じました。

 キリン 一番搾り 〈黒生〉

見た目は全く同じ「黒」だけれど、飲み比べてみるとそれぞれの特徴の違いに気づくことができて、「黒ビール飲み比べ」だけでも面白い！

スイーツに合う黒ビールはどれだ？

全て揃ったところで、さっそく黒ビール×スイーツのペアリング調査開始！

とはいえ、調査をはじめる前の予想は「全部合いそう」でした。しかし試してみると、よりそれぞれの黒ビールの味わいの違いを感じ、スイーツとの相性も変わることに気づくのです…！

■複雑で大人な味わいの「シュトーレン」に合う黒ビールは…

シュトーレンはドイツの菓子パンで、バターたっぷりの生地に、洋酒につけたドライフルーツやナッツが練り込まれ焼かれています。周りはシュガーコーティングや粉砂糖がまぶされているものも多く、雪をまとったような見た目も魅力です。シュトーレンは日持ちし、日が経つにつれドライフルーツなどが生地になじみ、クリスマスを心待ちにしながら、日一日と少しずつ切り分けながら味わいの変化を楽しむ菓子パンでもあります。

ベストペアリングな黒ビールは…

【ヱビス プレミアムブラック】
レーズンが効いた大人な味わいのシュトーレンには、香ばしさが際立つ「ヱビス プレミアムブラック」との相性が抜群でした。他の黒ビールだとペアリングした時「さっぱりしているかも」という印象がありましたが、ヱビスの考え抜かれた芳醇な味わいが、バターやドライフルーツ、ナッツ、粉砂糖などさまざまな味わいのシュトーレンとマッチし、包み込んでくれているよう。

■黒ビールと色が似ている「チョコレートケーキ（ブッシュ・ド・ノエル）」と合うのは…

クリスマスのケーキといえば、ブッシュ・ド・ノエル。大木を模した見た目のチョコレートケーキで、フランス語の名前を直訳すると“クリスマスの薪”です。検証した日はクリスマス前だったので、チョコレートケーキで代用しました。色だけで見ると黒ビールと一番相性が良さそうなスイーツです。

ベストペアリングな黒ビールは…

【キリン 一番搾り〈黒生〉】
チョコレートケーキの濃厚な味わいと甘さに負けなかったのが、芳醇な旨みのある「キリン 一番搾り〈黒生〉」。味わいの強いスイーツとはどれも合いそうです。厚みのあるボディで口の中でのマッチ度はピカイチで、他と比べると酸味もあるため後口に残る濃厚なチョコレートの口をさっぱりとさせてくれました。

■濃厚な生クリームたっぷりの「ショートケーキ」と合う黒ビールは…

ケーキの定番といったらショートケーキではないでしょうか。真っ白な生クリームの上に真っ赤ないちごがアクセント！生クリームのデコレーションが施されているので、今回集めたスイーツの中でも1・2位を争う甘さ。

ベストペアリングな黒ビールは…

【アサヒ生ビール 黒生】
苦みは控えめでさっぱりした味わいが、濃厚な生クリームをほどよく中和してくれます。

【ドラフト ギネス】
なめらかなのどごしが楽しめ、こちらも苦味はおだやかなビール。アサヒ 黒生とほぼ同じ理由ですが、生クリームのもったり感をギネスのさっぱりさが中和してくれました。

■ねっとり濃厚な「モンブラン」に合う黒ビールは…

生地の上をマロンペーストのクリームで贅沢に包んだモンブラン。フランスとイタリアの国境にあるモンブラン山を表現したケーキと言われています。ねっとりと濃厚なマロンクリームの濃厚さが最大の特徴！

ベストペアリングな黒ビールは…

【ヱビス プレミアムブラック】
モンブランを一口、そしてエビスをごくりと飲むと、ロースト麦芽の芳醇な香りとマロンがベストマッチ！宮崎ひでじビールの「栗黒 KURI KURO Dark Chestnut Ale」が口の中で完成したようなマッチ度。面白いので試してほしい！

【アサヒ生ビール 〈黒生〉】
飲んだ瞬間「合うー！」と叫んでしまうほどマッチ。香ばしい香りや甘みが醸す味わいとマロンがモンブランとの相性ぴったり。

■塩味強めな「チーズケーキ」に合う黒ビールは…

チーズを使用してつくられるチーズケーキ。さまざまな種類がありますが、今回は甘すぎない塩味があるタイプを選びました。一番、普段の“おつまみ”に近い感覚のスイーツですね。

ベストペアリングな黒ビールは…

【キリン 一番搾り〈黒生〉】
甘さ控えめのチーズケーキに、すっきりとした酸味がある「キリン 一番搾り〈黒生〉」が合いました。塩味強めなチーズケーキだと、「キリン 一番搾り〈黒生〉」が主役になるかも！

【COEDO 漆黒-Shikkoku-】
今回のような塩味強めでおつまみ感覚のチーズケーキの場合、ラガーで軽く、苦みがあって麦のライトな感じも伝わる「COEDO 漆黒-Shikkoku-」と合わせると、口の中でマッチし親しみやすい味わいに。

スイーツのお供には黒ビールを

黒ビールとスイーツを合わせた経験はこれまでにありましたが、5種の黒ビールと5種のスイーツで試してみたことはありませんでした。

そんななか調査してみた結果ですが、「黒ビールはスイーツに合う」ということが改めてわかったこと。そして、「いろんな黒ビールを飲み比べしつついろんなスイーツを合わせるとよりおいしい相性が見つかる」という気づきでした。

とはいえ、今回の実験に際しスーパーやコンビニ、酒屋などいろいろなところを回りましたが、ビール棚の黒ビール率の低さに少し寂しさを覚えたことも事実。

黒ビールを飲み比べてみて改めて感じたことですが、今回選んだ黒ビールはすべてアルコール度数5％以下。そして、あまり黒ビールを飲んだことがない人が想像するより恐らく苦みも控えめで、飲みやすいものも多くあるということです。

だからこそ、“スイーツにブラックコーヒー”を合わせる人がいるように、“スイーツに黒ビール”を合わせる人がより多くなって、黒ビールの魅力をさらに多くの人に知ってほしいと感じました。

何より、人も多く集まる時期に飲み比べやペアリングで試してみると、盛り上がること必至。“黒ビール×スイーツ”の楽しさをぜひ体感してください。

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