創業200年、神奈川・松田町の老舗で新酒完成 「昇り竜が平和を」えとにちなんだ杉玉も

えとにちなんだ竜や一升瓶をかたどった杉玉=22日、松田町松田惣領の中沢酒造

 1825年創業の老舗「中沢酒造」(松田町松田惣領)で今年の新酒が完成し、縁起物の杉玉がつるされた。来年のえとの辰(たつ)にちなんで竜や一升瓶の形をした一風変わった杉玉もお目見えした。

 新酒の初搾(しぼ)りの時期となる毎年12月に取り換えられる杉玉は森林の間伐などに取り組む県内の森林インストラクターが5年前からボランティアで製作。山林から切り出した杉の枝葉から直径約60センチの杉玉に仕上げた。

 昨年からはえとにちなんだ杉玉を作り始め、ウサギに続いて今年は竜の杉玉作りに挑戦。角は松の枝、耳は竹、目はボトルのキャップを使って巧みに直径約40センチの竜の頭部を表現した。

 新酒第1弾となる「しぼりたてのお酒」は23日から発売。鍵和田茂社長は「今年はさわやかな青リンゴのような香りのする新酒に仕上がった。毎年、新酒が完成し青々とした杉玉を見るとほっとする」と喜んだ。

 仲間5人とともに杉玉を製作した二宮町の宮下啓一さん(75)は「新年は平和な1年になってほしい。天に昇った竜が戦争を止めてくれれば」と願った。

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