今年のお正月は、カンタンなカズノコ料理にチャレンジしませんか?

お正月が近づくとスポットを浴びる「カズノコ」。二親(ニシン)に感謝し、子孫繁栄の願いを込めたカズノコは、お節料理の一の重に欠かせない縁起ものです。実は栄養価も高いと知っていましたか?また、そのまま食べるほかには、なんとなく調理するのがおっくうではありませんか?今回、カズノコについていろいろ勉強したので、簡単な食べ方とともにご紹介します。

カズノコについて

カズノコは、ニシンの魚卵および、ニシンの卵巣をそのまま塩漬けまたは乾燥させたもののことです。

カズノコは、日本では室町時代の書物に登場し、武将の宴では勝負に「勝つの子」などと珍重され、8代目将軍の徳川吉宗がお節料理に入れてお正月を迎えるようにと勧めたそうです。

お節料理には、子孫繁栄の縁起物。またニシンは春を告げる魚であることから春への希望も感じます。

カズノコの産地は、カナダ太平洋・アラスカ・北海道・ロシア・カナダ大西洋・ヨーロッパ大西洋といろいろで、それぞれ特徴があります。今回はカナダ太平洋産のカズノコを手に入れました。

カズノコの栄養

カズノコには、ニシンが育つための栄養成分が豊富に含まれています。中性脂肪が好きなく健康効果が高いEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)、抗酸化成分のCoQ10(コエンザイムQ10)も豊富。そのほか、健康や美容に良いとされる成分が含まれています。

よく誤解されるのが、魚卵であるゆえに「コレステロールが多いのでは」「プリン体が多いのでは」ということです。しかし、コレステロールは鶏卵の約半分、プリン体は極めて少ないのだそうです。

カズノコの戻し方

塩漬けのカズノコは食べる前に塩抜きが必要です。塩抜きの仕方でおいしさが変わるのでここは重要。

しかしそんなに難しくはなく、真水ではなく塩水で、水を変えながらじっくりと抜いていくのがコツ。もし塩分が抜け過ぎたら、それより少しだけ濃い塩水につけて、また塩分を上げてやればよいのです。

【カズノコの水抜きの手順】

・水1リットルに対して小さじ1弱(5g)の食塩を入れて溶かす。

・そこに300~400gのカズノコ(12~16切れ)をつける。

・2時間おきに3~5回同じ濃度の食塩水に変えて塩抜きをする。

・塩抜きが終わったらカズノコの表面の白い膜を取り除く。

最後の塩抜きの時にだし汁につけるとおいしくなるようです。

カンタンなカズノコ料理

塩抜きをしたカズノコは途中で折って塩分を確かめるため、バラバラなものができるので、まずはこちらを使いました。

そのまま、おかかしょうゆで食べてもおいしいのですが、味がシンプルなので、野菜のように使えました。

カズノコの白菜おかかマヨあえ

今が旬の白菜を同じくらいの大きさにカットして塩を振ってしんなりさせたものに、マヨネーズ、めんつゆ、かんきつの汁(あれば)を加えて混ぜ、仕上げにカツオ節を振りかけるだけで完成!

カズノコのコリコリとした食感と、白菜のみずみずしさで、すすみますー!

カズノコのリンゴマヨあえ

カズノコは塩気があるので、果物などの甘さに合うのでは?とリンゴを合わせてみました。味付けはまたもやマヨネーズです。ワサビが隠し味で、リンゴは皮つきのまま使い皮の色を見せたのがポイントです。一緒に混ぜようかと思いましたが、メープルシュガーでコーティングされたクルミを添えました。

カズノコの磯辺(いそべ)揚げ

塩抜きをして日がたったカズノコは加熱調理してみましたが、食感がゴムのようになってしまうので、さっと表面だけ火を入れて中には火が通らないようにするのがお勧めです。

味付けのりで巻いて、かたくり粉をつけて焼きましたが、天ぷらにするほうがお勧めです。

おわりに

いかがでしたか?カズノコは塩抜きさえ済ませば、いつもの料理に簡単に使え、栄養もたっぷりとれる食材です。

サラダやあえもの、スープなどにもどんどん使ってみてください。お正月のお節料理だけではもったいない。最近は冷凍でも販売されているので常備しておくと良いかも!

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