元関脇寺尾・錣山親方の通夜 元横綱稀勢の里・二所ノ関親方は「不撓不屈の精神見習いたい」

錣山親方の通夜に続々と参列する関係者や力士ら=錣山部屋

 大相撲の元関脇寺尾で、17日にうっ血性心不全のため60歳で死去した錣山親方=本名福薗好文、旧加治木町出身=の通夜が22日、東京都の錣山部屋で営まれた。角界関係者のほか、一般参列者も100メートル以上の列をつくった。

 鹿児島県霧島市出身の陸奥親方(元大関霧島)は「大変寂しい」と言葉少なだった。郷土力士として、寺尾以来32年ぶりに関脇を経験した幕内明生(瀬戸内町出身)は「会うと優しく話しかけてくれる親方だった。『思い切りのいい相撲を取っている』と声をかけてもらった時はうれしかった」と話した。

 激しい突っ張りで人気を誇り、39歳まで現役を続けた。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「あの歳まで続けるのは簡単ではない。不撓不屈の精神を見習いたい」と語った。

 錣山親方の父は、元井筒親方の元関脇鶴ケ嶺。長兄の元十両鶴嶺山、次兄の元関脇逆鉾(いずれも故人)とともに「井筒3兄弟」として注目された。

父の井筒親方をかつぐ3兄弟。左から福薗(鶴嶺山)、寺尾、逆鉾=1984年5月

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