庄川-井波で有料バス 1月6日から月、土に実証実験 南砺のイドウラボ企画

出発する「無料月金バス」=南砺市の井波コミュニティプラザアスモ駐車場

 砺波市庄川地域と南砺市井波地域を結ぶ有料バス「月土バス」の実証実験が1月6日から始まる。市境をまたいで生活圏が密接する両地域で有償運行による需要の有無を探るのが狙い。「交通弱者」と言われる高齢者、中高生らの移動手段が限られる両地域で利用者層やニーズ、採算性を把握し、今後の持続可能な交通手段のあり方を検討する。22日に開かれた砺波市地域公共交通会議で報告した。

 実証実験を行うのは地域の交通課題の解決に取り組む一般社団法人「イドウラボ」(南砺市)。毎週月、土曜日に午前と午後に各2回の計4回、循環型ジャンボタクシーを運行する。料金は1回300円。

 同法人は県中山間地域等買い物弱者対策モデル実証事業として昨年1~2月に両地域で1日3便、無料で「月金バス」の実証実験を実施。16日間の運行で238人の利用があった。1日平均15人で70代以上が全体の8割以上を占めた。温浴福祉施設や商業施設、病院への利用が多く、井波地域から最も需要が多かった温浴福祉施設への交通アクセスが悪いことも分かった。

 昨年の実証後も利用者からバスの再開を求める声があったが、持続可能性から有償運行でも需要があるかどうか検証するために実施する。平日運行の昨年と違い、今回は通学の移動手段が限られる中高生の移動ニーズも探る。高齢者の孤立や孤独を防ぐ地域コミュニティーとつながる役割も担う。加越能バスとダイヤを接続し、砺波市中心地への買い物も支援する。

 イドウラボの岩瀬直人代表理事は「生活圏が一体の地域で利用される可能性があれば、住民が利用し、生活がより豊かになる環境インフラをつくりたい」と述べた。

  ●高校生の通学利用へ変更 東部循環線1便1.9人

 砺波市地域公共交通会議で、市側は国の補助金を受けて運行する市営バス東部循環線(麦秋苑・油田駅前―砺波駅―砺波市役所前)の1便あたりの乗車人数が1.9人と目標の2人を下回ったと報告した。福祉施設への利用が少なく、来年4月の市営バス再編で高校生の通学に利用できるように城端線に接続するダイヤ・路線に変更するとした。

 市営バスの再編に伴い、停留所の移設や撤去を来年3月に周知し、4月中に実施するとした。同バスのキャッシュレス需要は月に5千円程度とした。

砺波市地域公共交通会議であいさつする堀田会長=同市役所

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