輪島188世帯孤立 積雪60センチ、12月最大

雪による倒木で通行止めになった県道=22日午後4時10分、能登町天坂

  ●23日、県内平地で降雪30センチ

 石川県内は22日、強い冬型の気圧配置で能登地方を中心に大雪となった。輪島市では、倒木による道路の通行止めで集落の孤立が相次いだ。午後8時時点で三井町内屋、石休場町など16カ所が行き来できない状態となり、孤立世帯は188世帯に上った。輪島市と白山市で計2人が負傷し、輪島市では住宅1棟の屋根が壊れ、北陸自動車道の通行止めなど各地で交通網が乱れた。午後10時までの最深積雪は輪島市で60センチと12月としては最大となった。

 22日の6時間降雪量は輪島市では観測史上1位となる27センチ、志賀町富来高田、七尾市中島町藤瀬で25センチ、金沢市では21センチを記録し、気象台は「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。

 金沢地方気象台によると23日も雪が続き、午後6時までの24時間降雪量は多い所で加賀の平地30センチ、山地50センチ、能登の平地20センチ、山地30センチが予想される。

 22日は日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が形成され、雪が強まった。輪島市の降雪量は12時間で46センチ、48時間で60センチといずれも観測史上1位。午後10時までの最深積雪は珠洲59センチ、金沢31センチなどで県内全域に大雪警報が出された。

 輪島市以外で孤立したのは珠洲市宝立町柏原の1世帯2人、能登町上地区の2世帯3人と同町北河内地区の9世帯20人。珠洲市と能登町の3地区は既に解消。穴水町で避難所1カ所が開設され、3人が避難した。

  ●県内2人けが

 白山市では除雪中の80代女性が転倒し軽傷。輪島市山本町で除雪をしていた女性(65)の頭に倒木が当たって負傷した。

 22日午後5時現在輪島市の約1450戸、穴水町の約190戸など計約2270戸で停電が発生した。

 国道や県道は最大6路線が通行止めとなり、北陸自動車道も金沢森本インターチェンジ(IC)―小矢部ICが一時通行止めとなった。小松空港は羽田便7便と福岡便6便、能登空港は羽田便2便が欠航。JR北陸線で遅れが生じ、のと鉄道は6本運休した。

 公立小中学校は金沢など5市町34校が始業時間を遅らせ、授業を打ち切ったりした。公立高は小松工、加賀聖城、七尾城北、定時制の輪島が休校、志賀が授業短縮、門前が授業を打ち切りとした。金沢中央も始業時間を遅らせ、授業を打ち切った。明和、いしかわ、小松の各特別支援学校も休校した。

  ●輪島市が自主避難所

 輪島市は市ふれあい健康センター、町野、門前の両公民館の3カ所に自主避難所を開設。午後8時までに7人が避難した。同市内で22日午後8時時点で孤立している集落は次の通り。

 深見町、門前町中谷内、里町、房田町、石休場町(2カ所)、下黒川町、滝又町、尊利地町、打越町、町野町東大野、町野町牛尾、町野町真喜野、三井町内屋、三井町細屋、門前町四位

終業式を終え、雪が積もった歩道を通り、下校する児童=22日午後1時20分、輪島市河井町

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