性暴力、近しい人から7割 障害者への被害調査

取材に応じる法政大の岩田千亜紀助教

 身体などに障害があり性暴力を経験した約50人に法政大の岩田千亜紀助教(現代福祉学)がアンケートをしたところ、加害者は友人や養親、学校関係者ら近しい人物だったとする回答が7割に上ったことが、23日までに分かった。障害を理由に被害を信じてもらえなかったとの声も目立った。

 岩田助教は、回答母数が少なく調査結果を一般化はできないとした上で、障害を把握してつけ込むケースが多いのではないかと懸念。性教育による啓発が必要だと訴えている。

 アンケートは身体障害や精神障害、発達障害などの関連団体を通じ、性暴力に遭ったことのある18歳以上の当事者に協力を依頼。今年2~3月に回答があった54人分を調べた。性別は女性48人、男性3人、「その他」との回答が3人だった。

 加害者が誰だったのかについて131件の回答があり「友人・知人」が18件、「養親・継親を含む親」13件、「学校関係者」12件、「職場関係者」11件だった。福祉や医療関係者などを含めると7割に相当する91件が近しい人物で、「知らない人」は26件だった。

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