プレマ・レーシングが設立40周年を迎える。小林可夢偉、アルピーヌF1のオコンや元F1王者ビルヌーブらが祝福

 プレマ・レーシングはベネチアで豪華なパーティを開き、華やかに40周年を祝った。

 このパーティにはアルピーヌF1のエステバン・オコン、トヨタの小林可夢偉、元F1世界チャンピオンのジャック・ビルヌーブら多くの元ドライバーが参加し、創設者のアンジェロ・ロジンとレネ・ロジン、および彼らの妻のグラツィアとアンジェリーナの功績の証として、フェラーリ、メルセデス、アルピーヌ、アルファタウリ、アストンマーティンといったF1チームがロジン家のパーティに代理人を送ったほか、500人以上の人々がこの祝賀会に出席するためだけにベネチアを訪れた。

プレマ・レーシング創設者のレネ・ロジンとアンジェロ・ロジン

 プレマは、チームに多くの成功をもたらした何台かのマシンの展示を行った。そのなかにはシャルル・ルクレールが2017年にタイトルを獲得したFIA F2マシン、今年アンドレア・キミ・アントネッリがタイトルを獲得したフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパのマシン、F3マカオGPの勝利マシン数台が含まれていた。

 また会場には多くのレーシングスーツ、ヘルメット、グローブも展示されており、それらはオコンやビルヌーブ、元トヨタのテストドライバーで、このパーティのためだけにアメリカからやって来たライアン・ブリスコー、同じくトヨタのテストドライバーだったフランク・ペレラといった元所属ドライバーたちがプレマに寄贈したもので、チームの素晴らしい記念品コレクションの一部として披露された。

『F1 TV』の司会者ローレンス・バレットが進行を務めるなか、12人のドライバーがステージに上がり、プレマで過ごした時間を振り返っていくつか愉快な打ち明け話をした。ビルヌーブは、「ロジンの家に泊まった時、与えられた部屋は当時まだ子どもだったレネの部屋だった。レネは、自分はソファで寝なければならなかったと言っていたが、私にとってそこはただの寝室で、彼がどこで寝ているかなんて知らなかったんだ!」と明かした。

パーティーに参加したジャック・ビルヌーブ

 オコンはアンジェロとグラツィア・ロジンに敬意を表した。

「ふたりは、僕が出ないレースに出かけるときは、僕を家に泊まらせてくれた。僕が当時どれだけ若かったかを考えると、ふたりは僕のことを本当に信頼してくれていた」とオコンは述べ、「1年近く1日2回ピザを食べていたので、当時の僕の食生活はベストではなかったかもしれないね」とも語った。

プレマ・レーシングのスーツにサインをするエステバン・オコン

 また、小林可夢偉の話は会場を大いに沸かせた。

「アンジェロのスクーターに乗って夜中にコンビニエンスストアを探していたら、警察署に連れて行かれました。イタリアのあの地域にコンビニが1軒もないなんて知らなかったんです。日本だったらどこにでもありますから!」

「そして警察はスクーターにミラーがついていないのを見つけました。僕はイタリア語はほとんど話せなかったし、警察は英語や、もちろんですが日本語も話せなかったので、最終的に彼らはアンジェロを午前2時に起こして、警察署まで僕を迎えに来させました。彼は不満顔でしたし、それは僕も同じでした。僕はお腹がぺこぺこだったんです!」

 ロジン家は思い出に残る夜を提供し、チームが10年後に祝うことになる50周年記念は完全にレネとアンジェリーナの手に委ねられることを示した。アンジェロとグラツィアは、人生におけるセミリタイアの段階に静かに入ったのだ。

パーティーに参加した小林可夢偉
レネ・ロジンとアンジェロ・ロジン

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