農業産出額 茨城県3位 鶏卵、かんしょ増加 2022年

茨城県庁=水戸市笠原町

2022年の都道府県別農業産出額(速報値)で、茨城県は前年比3.4%(146億円)増の4409億円で、6年連続で3位となったことが22日、農林水産省のまとめで分かった。鶏卵とかんしょが大きく増えた。生産農業所得は3位から2位に上昇。販売農家1戸当たりの所得は初めて400万円を突破した。

農業産出額の1位は北海道で1兆2919億円。2位は鹿児島県で5114億円。茨城と鹿児島の差は前年の734億円から705億円に縮まった。

茨城県の農業産出額のうち約50%を占める野菜や果実などの「園芸部門」は、販売単価の上昇などで前年比4.6%増の2276億円となった。コメは2.5%増の611億円。畜産は2.2%増の1340億円だった。

品目別に見ると、鶏卵が9.2%増の548億円。かんしょが9.1%増の361億円と大きく増えた。増えた要因について、県は鳥インフルエンザの相次ぐ発生による鶏卵価格の上昇や、かんしょの全国的な需要拡大などが影響したとみている。

生産農業所得は、原料や資材の高騰で1517億円と3.1%減少したが、3位から2位に上昇した。県によると、販売農家1戸当たりの所得は、前年の393万円から18万円増えて411万円。試算を始めた2017年以降、初めて400万円を上回った。

2050年の茨城県農業を描いた県政策指針「茨城農業の将来ビジョン」では、1農家当たりの所得を1000万円としている。県農業政策課は「収益性の高い農業に構造転換させ、所得の向上を加速させたい」としている。

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