【乗馬を始めたいあなたに】乗馬クラブの選び方

乗馬を始めるにあたり、まず決めなければならないのが所属する乗馬クラブです。
乗馬クラブといっても全国には沢山のクラブがあるので、どこが良いのか迷うところです。
今回は、乗馬クラブの選び方についてまとめました。

目的によって選ぼう

乗馬の目的は大きく2つに分かれます。
ひとつは競技会に出場することが目的の場合、もうひとつは趣味として乗馬を楽しむことが目的の場合です。

乗馬の目的が競技会出場であるならば、定期的に競技会へ参加している乗馬クラブに入会することが一番の近道です。
乗馬のスキルを磨きたいという向上心が高い方は、是非競技会を目指して下さい。競技会にも様々な規模のものがあるので、習い始めてから比較的短期間でも出場することが可能な競技種目もあります。また、競技会志向であるならばレッスンはマンツーマンレッスンが受けられるクラブが良いでしょう。マンツーマンレッスンの方が、部班よりも断然上達は早いです。

馬に乗るだけでなく、お世話もして一緒に過ごす時間を楽しみたい、外乗で颯爽と駈歩してみたいという方には、そのような目的に合ったクラブを選びましょう。レッスンのスタイルも、他の会員さんと楽しみながら乗馬ができる部班がおすすめです。

初めは競技志向でなくても、乗馬を続けていくうちに自身の乗馬のスキルを試したくなる方も少なくありません。どちらもできる乗馬クラブを選べば問題はありませんが、競技会へ出場しない方針の乗馬クラブへ入会した場合は、所属するクラブの変更を余儀なくされたり、2つの乗馬クラブをかけ持ちする必要が出てくることもあります。
競技会を目指すのか、趣味として乗馬を楽しみたいのか、すぐには決めらないという方が多いと思います。迷っているのであれば、どちらのスタイルにも対応できるクラブに入会した方が良いでしょう。

入会する前に、ご自身がどのような方向性で乗馬をおこないたいのかを考えてみて下さい。
乗馬クラブはそれぞれ雰囲気が違います。教え方ひとつを見ても、厳しいクラブもあれば、優しく教える方針のクラブもあります。
まずは体験乗馬やビジターで騎乗し、できれば会員さんからクラブの様子などを聞いてみて下さい。

また、乗馬には「ブリティッシュ」と「ウエスタン」の2種類があります。
日本の乗馬クラブの8割ほどがブリティッシュスタイルの乗馬を教えています。

ブリティッシュはイギリスの貴族のたしなみとしておこなわれていた馬術で、正確な動作や動き、作法などを重視します。

ウエスタンはアメリカ西部の開拓時代にカウボーイが行っていた乗馬に起源を持ち、長時間の移動や労働のための乗り方が発展した実用的な乗馬スタイルです。
どちらのスタイルも魅力的ではありますが、ウエスタン志向の乗馬クラブは数が少ないのであまり選択の余地はないでしょう。

設備は直接確認しよう

乗馬クラブを選ぶ際には、設備面の確認も必要です。それぞれの乗馬クラブのホームページでも設備内容について掲載されていますが、可能であれば以下のようなポイントを現地でチェックすることをおすすめします。

①馬場の広さ
チェック項目の1番目は、レッスン用の馬場の広さです。
レッスンには最低でも20m×60mの広さが必要です。
また、馬場には柵が設置されているか確認しましょう。初心者がレッスンをおこなう際に、柵がないと馬をコントロールできないため、大変危険です。

馬場を見学する際は、どのくらいの間隔を開けてグループレッスンをしているかも確認してください。広い馬場であれば、一人一人が余裕をもってレッスンできます。比較的コンパクトな馬場であれば、並んでレッスンをおこなうことになり、部班レッスンがメインになるため、競技会志向の方にはあまりおすすめできません。
レッスン見学が可能であれば、自分の好みに合っているかも確認してみて下さい。

自分の志向が競技会か趣味なのか決まっていない方は、どちらも可能な広い馬場を持つクラブをおすすめします。

②厩舎内
チェック項目の2番目として、厩舎内を確認しましょう。
まず厩舎内が清潔に保たれているか見て下さい。厩舎内の天井の至る所にクモの巣が張っていて、掃除が行き届いていないことがあります。馬が常にいるところが不衛生であれば、馬が病気になる可能性が高くなります。
また馬の状態だけでなく、鞍や頭絡の保管状態が良いか、手入れはおこなわれているかなどもチェックポイントになります。

③人が利用するための設備
チェック項目の3番目は、会員が利用するための設備面です。
例えばヘルメットや長靴、鞭などを長期的に置くための個人用ロッカー、売店や飲食施設、更衣室やシャワールームの有無などです。

自宅近くのクラブなら問題ありませんが、一般的に乗馬クラブは郊外に立地しているため、クラブへ通う際には長時間の移動を伴うことが多いです。毎回沢山の荷物を持って通うのは大変なので、長期的に借りられるロッカーがあると移動も快適になります。

また、クラブの周囲に飲食店やコンビニがない場合もあります。クラブ内にカフェテリアがあるなど、毎回飲み物や食料の心配をしなくても大丈夫かどうかについても、チェックしておくことをおすすめします。

夏場のレッスンはかなり汗をかくので、レッスン後にシャワールームを利用できればより快適ですね。

長く続けるにあたり上記の設備があれば、快適に乗馬をおこなうことができますよ。

他にも夏場の虫対策、ボロやゴミの置き場所などもチェックが可能であれば、是非確認してみて下さい。
馬や人への配慮や気遣いがわかる部分でもあります。

雰囲気はかなり重要

スタッフの人柄や雰囲気、接客態度は、入会の際の大きなチェックポイントとなります。

良い乗馬クラブには熱意を持ったスタッフがいます。馬の手入れもしっかりおこなってくれるので、馬がいつもきれいです。それだけ馬に対して愛情をもって接している証拠です。
また乗馬について熱く語ることができ、指導も熱心におこなってくれる上に、どんな質問に対しても一生懸命に答えてくれます。

スタッフの人数も確認しましょう。少な過ぎる場合は、希望するレッスンができない場合があります。マンツーマンでのレッスンを希望したにもかかわらず部班でのレッスンになってしまったら、不完全燃焼でレッスンを終えることにもなり兼ねません。

気持ち良くレッスンを受けられるようにインストラクターの接客態度にも注目して下さい。お客さんに対してスタッフが挨拶しないクラブはおすすめしません。乗馬を教えるのが上手でも、接客態度の良くないインストラクターのレッスンは受けたくないですよね。
入会の際に、会員制度の内容などをわかりやすく丁寧に説明してくれる気配りがあるかチェックしましょう。

費用はどれくらいがいいか

費用については多少のばらつきがあります。自分が支払うことのできる金額の範囲内のクラブへ入会することにはなりますが、もしも支払える金額に余裕がある場合は、費用が高いクラブに入会することをおすすめします。その方が結果的に費用が安く済むかもしれません。

金額だけで選んでしまって後々クラブを移ることになった場合、入会金を2回も払うことになり、かえって費用がかさむことにもなり兼ねないからです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

目的やスタイルで乗馬クラブを選ぶと言っても、沢山のクラブの中から自分に合うクラブを見つけるの大変なことです。とはいえ入会する前に、できるだけ多くの乗馬クラブに足を運んでみて下さい。

安易に妥協することなく、ご自身にあったクラブへ入会することが上達への一番の近道かもしれませんね!

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