出た!ひみ寒ぶり宣言 富山県氷見市、過去3番目の遅さ

水揚げされ、競り場に並べられる「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

 氷見漁港で23日、「ひみ寒ぶり宣言」が出された。ひみ寒ぶりは冬の富山湾を代表する味覚で、全国で人気のブランド。シーズンごとに出される宣言をもって出荷が始まる。初日は1852本が出荷され、氷見魚市場は活気づいた。

 今季の宣言は、2011年度にブランド制度が始まってから3番目に遅く、昨季より27日遅かった。

 ひみ寒ぶりには、氷見漁港に水揚げされる重さ6キロ以上で、形が良いブリが認定。漁業者や仲買人、氷見漁協の代表でつくる判定委員会が、氷見の定置網を含め、安定出荷が見込めるとして23日に宣言を出した。

 競り場には重さ9~15キロのブリが並び、仲買人の威勢のいい声が響いた。

氷見漁協組合長「宣言やめることも」

 ひみ寒ぶりを巡っては、近年は不漁のシーズンも目立つ。氷見漁協の森本太郎組合長は23日、報道陣の取材に対し「富山湾内の水温が高くブリが入ってこない」と説明した上で「宣言をやめることも考えている」と述べた。

 氷見漁協によると、今季は氷見地区の定置網に入るブリが少ない。氷見魚市場では、平年は11~12月に約200トンを扱うが、今季は6~7割程度になる見込みという。

 森本組合長は「ブランドを守るためにも無理やりすることはないと思う」と話し、4、5年前から宣言の見直しを検討していたと明かした。今後の対応について市などと相談する考えを示した。

威勢良く行われる競り
水揚げされ競り場に並ぶ「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

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