子宮頸がん予防ワクチン、接種者1割どまり 京都府、無料終了まで1年余り

京都府庁

 京都府議会の代表質問がこのほど行われ、西脇隆俊知事は子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種を逃した世代の女性に対する「キャッチアップ接種」を府内で昨年度、約7600人が受けたと明らかにした。接種者数を公表したのは初めてで、対象者の1割程度しか接種していなかった。国の公費負担が終了する来年度に向け、府は情報発信を強化する。

 国は2013年4月から小学6年~高校1年の女性を対象にHPVワクチンの定期接種を始めたが、副反応の訴えが相次ぎ、約2カ月で積極的な接種勧奨を中止。昨年4月に安全性が一定、認められたとして積極的勧奨を再開した。対象年齢が過ぎた1997~2005年度生まれの女性を中心に、キャッチアップ接種として25年3月末まで無料で接種している。

 京都府によると昨年4月時点の府内の対象者は約7万3千人(推計)で、昨年度に7606人が受けたが、9割近くが未接種だった。府は市町村に対象者への個別通知を改めて行うよう働きかけるほか、HPVは性交渉で感染することから、梅毒などの性感染症への注意喚起と合わせ、SNS(交流サイト)などで発信する。

 12月8日、公明党の大河内章議員の質問に対し、西脇隆俊知事は「ワクチンの有効性、安全性など接種を検討、判断するための情報が確実に届くことが重要と考えている」と述べた。

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