山本争奪戦 メッツはドジャースと同条件 ヤンキースは3億ドル

大注目の山本由伸の争奪戦を制したのは、大谷翔平と10年7億ドルの超大型契約を結んだばかりのドジャースだった。山本の契約は12年3億2500万ドル、うち5000万ドルが契約ボーナスで、後払いはなく、6年目と8年目のシーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)できる権利が与えられていることが報じられている。投手史上最高額の契約となったが、この規模の契約をオファーしていたのはドジャースだけではなかったようだ。ニューヨークの2球団も3億ドル以上を提示していたことが明らかになっている。

米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、メッツはドジャースと同条件の12年3億2500万ドルをオファーしていたようだ。契約ボーナスやオプトアウトなど、詳細な部分まで同じだったかどうかは不明だが、大富豪のスティーブ・コーエン・オーナーの資金力を生かし、少なくとも金額面ではドジャースに負けないだけの条件提示をしていた。争奪戦に敗れたのは、ポストシーズン進出を狙えるかというチーム状況や、東海岸と西海岸という地理的条件の違いによるものだと思われる。

一方、ヤンキースは10年3億ドルをオファーしていたようだ。総額ではドジャースやメッツを下回るものの、年平均額ではヤンキースが上回っている。また、バックロード(後半になるにつれて年俸が上がる)形式になっていると言われるドジャースとは異なり、シンプルに毎年3000万ドルを支払う条件を提示していたとみられる。さらに、5年目終了時にオプトアウトできる権利も付属していたことが報じられている。

ヤンキースが金額面でドジャースやメッツと並ぶオファーを提示できなかったのは、今季サイ・ヤング賞を受賞したエースのゲリット・コールの存在も影響しているのではないだろうか。ドジャースとメッツが提示した12年3億2500万ドルはコールの9年3億2400万ドルを上回る投手史上最高額の契約である。絶対的エースとしてチームを牽引するコールを上回る契約を提示すれば、コールのプライドを傷つけてしまう。そんな配慮がヤンキースのフロントオフィス内にあった可能性は否定できない。当初は「2億ドル前後」と言われていた相場がコールを超えるところまで上昇してしまったのは、ヤンキースにとって誤算だったのかもしれない。

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