干支のきびがら細工作り 鹿沼市のきびがら工房

 今年も残すところあと9日、各地で新年を迎える準備が進んでいますが、鹿沼市の工房では、来年の干支「辰」をかたどった「きびがら細工」作りが、大詰めを迎えています。

 「上昇していく竜」をイメージした、来年の干支「辰」が見事に表現されています。

 栃木県の伝統工芸品である、「鹿沼箒」を作るときに出る余分な部分を活用した、きびがら細工は、工房の3代目で県の伝統工芸士の、増形早苗さんが手作業で制作しています。

 干支のきびがら細工は、増形さんの祖父が考案して製作を始めました。増形さんが引き継ぎ、来年で製作開始から60年の節目の年を迎えます。

 縁起物として人気ですが、特に「辰」は「昇り龍」として縁起が良いため、人気が高くいつもの年の1・5倍となる、およそ1500個を7月から作り始めました。サイズは長さ10センチと、15センチの大小2種類です。

 仕分けや編み込みなど4つの工程があり、さらに、使わなかったほうきの穂先を髭に見立てて付けるなど、1個仕上げるのに3日以上かかるということです。

 この日も、水に一晩漬けたきびがらを、素早く編み込んでいくなど、慣れた手つきで作業を進めていきました。

 作業は通常年内で終了しますが、「辰」は人気があり注文が多く来年1月下旬まで続くということです。干支のきびがら細工は鹿沼市内の工芸館などで販売しています。

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